日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

山岡賢次衆議院議員にマルチ商法について公開質問状

2011年9月の野田内閣のもとで、山岡賢次衆議院議員は、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)として、消費者庁、消費者委員会、食品安全委員会と公正取引委員会、国家公安委員会委員長、拉致問題担当の内閣府特命担当大臣に就任しました。

就任直後より、マルチ企業からの献金問題などが問題とされ、国会内ではマルチ擁護の姿勢や、政治資金規正法に関する問題等が追及され、12月9日には参議院で、一川防衛大臣とともに、問責決議が可決されました。

日本消費者盟(以下 日消連という)は、同日、問責決議が可決される前に、山岡大臣に公開質問状を提出し、任命責任者である野田総理大臣あてにも送付しました。詳しい内容は、消費者リポートに掲載予定です。


2011日消連第30号

2011年12月9日

衆議院議員 山岡 賢次 様

                     特定非営利活動法人日本消費者盟                             共同代表 天笠 啓祐
古賀 真子
真下 俊樹
山浦 康明

連鎖販売取引(マルチ商法)に対する考えに対する公開質問状

2011年9月の野田内閣のもとで、貴殿は、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)として、消費者庁、消費者委員会、食品安全委員会と公正取引委員会、国家公安委員会委員長、拉致問題担当の内閣府特命担当大臣に就任されました。就任直後より、マルチ企業からの献金問題などが問題とされ、12月9日には問責決議がされるのではないかとの報道がされています。

日消連では、問責決議の結果やその後のご対応いかんにかかわらず、マルチ商法について消費者の立場から活動してきた経緯から、消費者行政のトップとして全力で業務を遂行されてきたといわれる貴殿に対して、あらためて現時点における、貴殿の連鎖販売取引(マルチ商法)に対する考えかたの確認させていただきたく、以下の点について質問をさせていただきたいと思います。

ご多忙中恐縮ですが、来る12月26日までに、文書にてのご回答をお願い申し上げます。

1 マルチ商法に対する基本的な考え方についてお示しください。

(1)いわゆる「良いマルチ」についてはちゃんとしたビジネスとして国家としても保護すべきであると考えているのか。

(2)特定商取引法における連鎖販売取引についての貴下の基本的な考えかたをお示しください。

2 貴下の健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟(NPU議連)との関わりと議連の考え方を現在でも支持するか否かについてお答えください。

3 特定商取引法の改正についての考え方について、連鎖販売取引の規制強化についての考えをお示しください。

 (補足:質問の理由)

1 マルチ商法についての基本的な考え方について

2008年6月に、千葉・幕張で行われたナチュラリープラスの集会にゲストとして招かれた際の貴殿の講演DVDが2011年11月10日の衆議院予算委員会で中継され、ユーチューブでも配信されています。

この中で、貴下は戦国武将の織田信長らを引き合いに「皆さんが革命家になって日本をつくり直してほしい。ちゃんとした国のためになる仕事であり、国の方でもお手伝いしたい」「ネットワークビジネスは究極のフレックスビジネス。アメリカに留学した際、ネットワークビジネスは人から人へのビジネスであり、狭い日本では流行ると思っていたのに、実に運悪くお金を用意せず回して金儲けしたネズミが日本に入ってきたので、ネズミと勘違いされてずっと遅れた」などと講演されています。

これに対する国会での質問に対して、貴下は、「頑張っている人を激励した」「色々なところの会にいけば、だれでも若干のヨイショは当然。歴史に学んで頑張らなければいけないということを、仲間の集まりとして言っただけ」「ネットワークビジネスについては合法なビジネスだ。違法なものは違法、合法なものは合法だ」等と答弁されています。*1

2 貴下の健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟(NPU議連)との関わりと議連の考え方と現政権での立場について

(1) 2002年11月、流通ビジネス推進政治連盟が発足し、2003年9月流通ビジネス議員連盟が発足(のちに健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟に改称)され、2008年1月、ネットワークビジネス推進連盟に改称されました。「現在、ネットワークビジネス推進連盟は、休止中です。」と公式サイトには表示されています。

(2) 議員連盟ネットワークビジネス推進連盟(以下NPU議連という)は、連鎖販売取引(いわゆるマルチ商法)の地位向上などを目的とした政治団体ですが、「連鎖販売取引に対する世間の無知・無理解・誤解・偏見・勘違いに晒されている状態」から脱却することを目的とした政治連盟であり、ネットワークビジネス基本法の制定、薬事法の改正、をテーマに掲げて活動していたとされています。加盟企業については健全であるとされているが企業名は非公開です。
NPU議連はすでに解消していると2008年10月13日に民主党の鳩山由紀夫幹事長が説明しましたが、NPU議連の結成に尽力した石井一民主党副代表(当時)はNPU議連の名誉会長に就任しています。過去には当議連を開設した石井議員も450万円の政治献金を受けていたことが報道されていましたが、石井議員は「特別な趣旨はなく、あくまで政治活動に対する献金」と回答したとされています。現在、貴下に対してはマルチ献金ほかの追及が衆参予算審議会等でなされていますが、参議院予算委員会の委員長は石井一議員です。
貴下は議連についての質問に対して、議連の会長になったのは「後輩議員に頼まれ、軽い気持ちで受けた」と答えています。

(3) 2006年10月15日、伊賀市社会福祉協議会(三重県伊賀市)が、毎月定期発行している広報誌の中で、マルチ商法への注意を呼びかけました。ところが、2007年2月28日、流通ビジネス推進議員連盟は「(記事が)業界すべてが悪いとの印象を読者に与えかねない」と主張する意見書を作成し、伊賀市社会福祉協議会に送付しました。
2008年10月10日、Wikipedia内の「前田雄吉」「藤井裕久」「ネットワークビジネス」「ネットワークビジネス推進連盟」そして当記事において、この議連に関する部分が削除される編集がおこなわれ、その編集をしたIPユーザーは衆議院内からの接続によるものと判明したとされています。

 4 消費者被害は手を変え品を変え私たちを狙ってきます。振り込め詐欺から、その変容した詐欺もあとを絶たず、貴金属の高騰にともない、買取商法により、高齢者を中心に被害が広がっています。
来年度の特定商取引法改正では、この買取商法についてのあらたな規制が盛り込まれるようですが、連鎖販売取引についてはあらたに規制をする必要性はありませんか。

(連絡先) 特定非営利活動法人日本消費者連盟
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19 アーバンヒルズ早稲田207
tel: 03-5155-4765 fax: 03-5155-4767


 

                     2011日消連第31号
2011年12月9日

内閣総理大臣 野田 佳彦 様

                    特定非営利活動法人日本消費者連盟                               共同代表 天笠 啓祐
古賀 真子
真下 俊樹
山浦 康明

山岡大臣に対する公開質問状提出のお知らせ

日本消費者盟(以下 日消連という)は、2011日消連第30号にて、山岡賢次衆議院議員あてに、別添の「貴殿の連鎖販売取引(マルチ商法)に対する考えに対する公開質問状」を提出いたしましたのでお知らせいたします。

2011年9月の貴内閣のもとで、山岡賢次衆議院議員を、国家公安委員会委員長、拉致問題担当の内閣府特命担当大臣とするともに、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)として、消費者庁、消費者委員会、食品安全委員会のトップに任命されました。就任直後より、マルチ企業からの献金問題などが問題とされ、12月9日には問責決議がされるのではないかとの報道がされています。

 日本消費者連盟(以下 日消連という)は、創立以来一貫してマルチ商法による消費者被害防止のための活動を行ってきました。日消連では、問責決議の結果やその後のご対応いかんにかかわらず、マルチ商法について消費者の立場から活動してきた経緯から、消費者行政のトップとして全力で業務を遂行されてきたといわれる山岡議員に対して、あらためて現時点における、山岡議員の連鎖販売取引(マルチ商法)に対する考えかたをお聞きしたく、別紙のように質問をさせていただきました。今後民主党としてのマルチ商法に対するお考えもお尋ねしたく思いますので、よろしくお願い申し上げます。

*省略した部分

日本消費者連盟がマルチ商法を問題であると考える理由

国民生活センターと全国の消費生活センターは、消費者から両センターに寄せられる消費生活に関する苦情相談情報(消費生活相談情報)の収集をPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)として集約し、公開しています。このPIO-NETによれば、ここ数年の状況をみても、2005年は21700件、06年は21338件、07年は24332件、08年は19157件、09年は15789件、10年は11622件、11年は5503件と今年に入って減少しているものの、依然として連鎖販売取引についての苦情等の多さは見過ごすことのできない消費者問題となっています。

悪徳業者の中には、実質的な無限連鎖講に値する行為を行ったり、商品の性能や品質のアピールをするよりは「簡単に儲かる」といった、安易に収入になることを強調したセールストークを用いたり、(長時間にわたって)勧誘し市場価格より高額な値段の商品を販売したりするといった被害もあります。また、不況下で、大学生や就職困難な若者を狙った違法な勧誘も見過ごすことはできません。

なによりも、マルチ商法は限られた人間関係の中で、洗脳状態になって、マルチ商法を始めた被害者が他者を誘うことにより加害者となり、精神的にも経済的にも破たんして家庭崩壊する悲惨な例が多いことから、被害者自身に被害者意識がないため、深刻な被害が潜在化していくことに問題の奥深さがあります。

訪問販売法改正後、マルチ商法を連鎖販売取引として、特定商取引の1取引形態として認めながらも、契約締結前や契約締結時の書面交付の義務付け、広告への一定事項の表示の義務付けや誇大広告の禁止、不適切な勧誘行為(不実告知、威迫困惑行為等)の禁止 、クーリングオフは20日間(一般の訪問販売は8日間) 、中途解約権の付与などにより、実質禁止が目指されてきました。マルチ商法が合法なビジネスだといわれるのは、特定商取引法により厳しく規制されて初めて合法化されるという意味であると解されます。著名な商法学者であり、消費者法の第一人者である故竹内昭夫氏が、1976年に、国会に参考人として招致された際、「(公正なマルチとは)安全なペスト、無害なコレラと言うに等しい」と述べられました。入口において、よいマルチはないということが法の趣旨であると理解できると思います。このように、規制の必要な取引形態である以上、その監視は消費者庁が管轄すべきであり、違法な事例には警察による摘発や積極的な取り締まりが期待されている点で、国家公安委員長の選任は重要であると考えます。

Tagged on: