日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

原発関連費用を電気の託送料金に転嫁することに反対します

本来、原発を有する電力会社が自前でまかなうべき原発のコストをすべての電力消費者に負わせようと、政府が画策しています。日消連はこのたび原発関連費用を電気の託送料金に転嫁する新制度の撤回を求める要望書を経済産業大臣宛に出しました。

現在、「福島事故関連費と原発コストを『電気の託送料金』に転嫁しないでください」という署名活動もしています。ご協力をお願いします。そして、一人でも多くの方に広めてください(詳細は要望書の下)。署名用紙はダウンロードして印刷いただくか、日消連までお問い合わせください。なお、2017年の通常国会会期中に提出予定のため、第一次締め切りを2017年1月31日とさせていただきます。署名集約先は、署名用紙の一番下にあります。

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2016日消連第12号
2016年12月22日

経済産業大臣 世耕弘成様

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興

          原発関連費用を電気の託送料金に転嫁する新制度の撤回を求めます

 私たち消費者・生活者は、原発の廃炉費用の一部及び東京電力福島第1原子力発電所の事故処理・賠償費用の一部を「託送料金」の仕組みを利用して回収できるようにする新制度について、下記のような理由で反対し、その撤回を強く求めます。

 エネルギー問題は、私たちの「いのちと暮らし」に深く関わる重要な課題です。今後のエネルギー政策に関わっていく重大な議論を、国会で審議することもなく、原子力発電に固執する事業者を救済するための制度を拙速につくってしまうのは、民主主義を無視した暴挙であるとしか言いようがありません。

 貴省におかれましては、この制度を撤回し、更には原発をベースロード電源と位置づけた「新たなエネルギー計画」をも見直し、再生可能なエネルギーの推進に力を注がれますよう強く求めます。

 

1.東京電力の責任が問われていない
すでに東京電力救済のために「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」が設立され、交付金等の形で多額の国税等が東電に注入されています。この度浮上している新制度によれば、託送料金を通じて賠償費用を、有無をいわさず私たち電力の利用者(消費者)に担わせることが可能になります。東京電力は賠償責任を免れ、消費者・生活者は税金と電力料金増という形で二重の負担を強いられることになるのです。また、新制度は原子力発電を不当に保護する結果をもたらし、電力自由化の趣旨に反します。賠償費用の補填については、国が「汚染者負担の原則」を踏まえた法的処理をきちんと執行し、且つ国会での充分な議論や公正なパブリックコメントを経た上で、結論を出すべきです。

2.国は原発を温存するエネルギー政策を見直すべきである
この度の新制度の浮上は、原発の事故処理・廃炉費用が莫大であることを、国が認めざるを得ないことを明らかにしています。私たちは、原子力発電をコストが安いベースロード電源として、温存していくことを意図したエネルギー政策の撤回を強く求めます。

以上

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「電気の託送料金」への原発コスト転嫁反対署名にご協力ください!
以下、署名内容です。

 

 経済産業大臣 世耕 弘成 様

福島事故関連費と原発コストを「電気の託送料金」に転嫁しないでください

 政府と九電力会社・電気事業連合会は、原発の廃炉積立不足金1.3兆円、福島事故損害賠償費(一般負担金)3兆円、福島事故処理・廃炉費4兆円の計8.3兆円を「電気の託送料金」に転嫁し、新電力契約者を含めたすべての電力消費者に負担を義務づけようとしています。2017年初の通常国会で、そのための法令整備を行い、費用が増えても自動的に負担額を増やせるようにしようとしています。私たちはこれに反対します。

 この8.3兆円は本来、福島事故に責任をもつべき東京電力や原発を有する九電力会社が自らの経営努力で負担すべきものであり、原発を持たない新電力から競争力を不当に奪い、電力自由化の趣旨に反します。

 東京電力にはすでに9兆円(損害賠償費5.4兆円、除染費2.5兆円、中間貯蔵施設1.1兆円)の資金援助が進められていますが、東京電力と電気事業連合会は、これでも損害賠償費2.6兆円、除染費4.5兆円の計7.1兆円が不足するとして、国にさらなる支援を求めています。福島事故処理・廃炉費についても、東電の経営努力で2兆円が準備されていますが、4兆円が不足すると東電は主張し、これに対しても国に支援を求めています。これらを合わせると、福島事故関連費は22.1兆円に達し、さらに増えることは避けられません。

 事故を起こした東京電力とそれを支え、共に推進してきた電力会社、株主、銀行・金融機関そして歴代政権は、事故の責任を何ら明らかにせず、責任をとらず、とろうともしていません。そのようなままで、なし崩し的に電力消費者や国民に20兆円を超えるツケを回すのは許せません。「電力自由化を機に新電力に切り替え、原発の電力を使わない選択をした電力消費者」に原発コストの負担を義務づけるのはもってのほかです。経産省は新電力や消費者団体に反対され、ごまかすための策を弄していますが、原点に立ち返るべきです。

 私たちは福島事故関連費や原発コストを電気の託送料金に転嫁して電力消費者に負担を義務づけることに反対し、次のことを求めます。

1.原発の廃炉積立不足金など原発コストおよび福島事故に関する損害賠償費(一般負担金)と事故処理・廃炉費など8.3兆円を「電気の託送料金」に転嫁する法令改定を行わないでください。

2.20兆円を超す福島事故関連費は東京電力と電力会社の責任で負担させてください。それが不可能なら、破産処理など東京電力等に事故の責任をとらせ、国の責任で累進課税に基づき対処してください。

 

署名用紙(PDF)ダウンロード

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