日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

【編集委員ブログ】絶対表示の掟破り(2018年3月19日)

 

食品表示には、絶対表示と呼ばれるものがあります。その代表が「無塩」や「無糖」です。それだけ見ると、塩分が入っていない、糖分が含まれていないと思ってしまいます。しかし、実際はそうではありません。無塩あるいはナトリウムレスの場合は、塩分が100g(100ml)あたり5mg未満まで認められています。無糖も同様です。糖分が100g(100ml)あたり5mg未満まで認められています。カロリーゼロあるいはノンカロリーもまた0カロリーではなく、100g(100ml)あたり5kcalまで認められています。同じように「オールコットン」表示は、コットンが100%ではなく95%以上です。有機加工食品も水と塩を除いた95%以上が有機のもので構成されている食品です。なぜこのように一定の余裕が認められているかというと、0をもたらすのが難しいからです。

なぜ、このような説明を私があえてしているかというと、遺伝子組み換え表示が変更され、「遺伝子組み換えでない」表示が、これまで5%まで容認されていたのが、0%に変更されることになったからです。絶対表示の掟を破って0にしたのはなぜでしょうか。完全な0というのは実現するのは難しいので、これにより「遺伝子組み換えでない」という表示が消えることになります。そうすることで喜ぶ連中がいるからです。ひどい目を見るのは消費者ということになります。誰が喜ぶのか、答えは3月27日に行われる衆議院第1議員会館での緊急学習会「遺伝子組み換え表示が消える」で明らかになります。ぜひ皆さんお越しください。

 

(天笠啓祐)