日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

【編集委員ブログ】香害110番から見えてきたもの(2018年6月1日)

 

香害に苦しむ人を対象にした電話相談「香害110番」を実施してから、50近いメディアの取材を受けました。生活情報番組では、「香りでこんなに苦しんむなんてびっくり」「私も困っている」などと出演者にコメントさせ、最後に香害の主要因となっている芳香柔軟剤は、「規定の使用量を守りましょう」とまとめます。その規定量でも健康障害が起きているのだから、それでは解決につながらないのに。使用量を守らない人が悪いのだと消費者の責任にすり替えて、メーカーの製造責任を免罪しているのです。そこには自動車業界に匹敵するほどの石鹸洗剤業界のTVCM出稿料が影響しているのでしょう。

 

もともとは健康障害を起こす製品を作るメーカーが、自らリスクのある商品を調査すべきで、それができないなら規制をかけるのが行政の役割ではないでしょうか。そしてメディアは、現象の上辺だけを切り貼りする報道ではなく、原因を探して市民とともに追及する側に回って欲しい。今苦しんでる人は、いつ発症するかわからない人々に、身をもってその危険性を知らせてくれる存在です。社会の木鐸たるマスメディアの役割は、そうした目に見えない本質を見抜いて、文字や映像にすることではないでしょうか。

 

そんな中を5月22日に開催した院内集会「香害110番から見えてきたもの」で、独立インターネットメディアのアワープラネットTVさんが無料でライブ中継をしてくださったことは感謝に堪えません。またいつも一人でひたすら録画し、毎日のように市民の活動を無料配信しているユープランさん(三輪祐児さん)にも頭が下がります。企業からの広告がない、こうした独立系ジャーナリストたちに、少しでもカンパを集めて支えていくのは私たち市民の役割だと思います。

 

(杉浦陽子)