日本消費者連盟
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【運営委員ブログ】静岡がリニアを止める(2019年11月19日)

 

リニア中央新幹線の工事は、静岡県の大井川の上流部でのトンネル工事が始まっていません。川勝平太静岡県知事が認めていないからです。

 

大井川源流部で毎秒2立方メートル以上の水が、リニアトンネル工事により減水すると予測されています。 大井川の水は下流域の7市2町、約62万人が水道用水に利用し、1万2000ヘクタールの地域が茶畑・水田を中心として農業用水に利用しています。その他工業用水、15カ所64万キロワットの発電所の発電用水、工業用水にも利用されているそうです。

 

JR東海は、トンネル湧水の全量を大井川に戻すと言っていました。しかし、静岡県の広域水道企業団の試算で、このポンプアップの費用は巨額になることが明らかになっています。これを知ってか、JR東海は湧水を大井川に戻す方針は「約束ではない」と7月に言い出したのです。

 

知事は交換条件があっても「水問題で譲歩する可能性は皆無」と明言しています。いまリニアの工事は止まっている、ということです。「ストップ・リニア裁判」も12月20日で17回目の口頭弁論になります。電磁波問題もこれから追及が始まります。

 

(懸樋 哲夫)