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【要請書】日本と欧州の消費者は消費者のための日欧EPAを望みます(2017年9月19日)

日本消費者連盟はこのたび欧州消費者機構(BEUC)と共同で日欧EPAに関して、日本政府と欧州委員会に以下の要望書を出しました。

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2017日消連第24号
2017年9月19日

経済産業大臣 世耕弘成様
外務大臣 河野太郎様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
欧州消費者機構(BEUC)
事務局長 モニーク・ゴイェンズ

 

日本と欧州の消費者は消費者のための日欧EPAを望みます

 

 日本消費者連盟と欧州消費者機構(The European Consumer Organisation=BEUC)は、日欧EPAは消費者参加のもと、消費者を守り、消費者に実質的な恩恵をもたらし、持続可能な開発という点でもそれに寄与するものでなければならないと考えています。そこで、私たち日本と欧州の消費者の日欧EPAへの要望や考え方を表明します。なお、欧州委員会の貿易担当委員セシリア・マルムストローム氏にも同様の文書を送付しています。

1.今回の日欧EPAのような通商協定は、消費者をふくむあらゆる人々に恩恵があるよう設計されたものでなければなりません。そのためには、消費者団体を意思決定過程に関与させることが必要不可欠です。交渉過程および実施過程において適切な形で消費者団体が参加すれば、消費者のための協定になるよう建設的な意見を提供することが可能です。「貿易と持続可能な発展」の章を検討する国内のアドバイザリーグループ(たとえば協議会のようなもの)に関する条項のなかに、消費者団体が明示的に言及されることを要望します。

2.日欧EPAにISDS条項やICS(投資裁判制度)に関する記述が含まれるようなことになれば、消費者の生活を脅かす可能性があります。消費者を守るための規制に対して、外国の投資家が仲裁委員会の委員に異議を申し立てることができるためです。消費者はこのような事態を決して受け入れることはできません。

3.データ保護について、EU(欧州連合)と日本が、協定のなかにデータの移動に関する規制を盛り込むのではなく、まず、データ保護法の適切な運用を模索するとしたのは、正しい選択でした。両地域の法的規制が同等なものであるならば、本件について貿易協定のなかでこれ以上議論する必要はありません。

4.消費者はまた、この貿易協定によって、これまでより改善された少なくともヨーロッパの消費者と同等の食品表示規制が導入されることを望んでいます。具体的には、食品添加物や遺伝子組み換え食品、また遺伝子組み換え原材料に関して、消費者の「知る権利」が保障されることが重要です。原産地表示についても、食料がどこから来たかを知る権利を消費者が獲得できるよう、大いに後押しされるべきだと考えます。

5.日本では交渉の内容がまったくといっていいほど開示されていません。一方、EUは合意に至った各章を公表しています。日本政府は、広く国民が議論できるよう、文書を早急に翻訳し、開示する責任があります。

6.日本とEUの話し合いにおいては、いずれの交渉官も消費者福利を高めるという確固たる目的を持つべきであり、そのためには自由に討議できることが重要です。

以上