日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

2017年5月号「農薬が子供の脳神経を冒す」

世界は規制の動き 日本だけが緩和に動く異常

農薬ネオニコの使用規制は、いま世界の潮流になりつつあり、日本だけが規制緩和に動く異常が続いています。 EUは2013年末、ネオニコ3 成分の一時使用中止を始めました。 ミツバチを守れという運動の高まりに加え、子どもの脳への影響が明白 になったことが背景にあります。しかし農薬企業が、欧州司法裁判所に ネオニコ暫定禁止決定の取り消しを 求めて訴訟を起こすなど、巻き返しを図る動きもありました。 そんな中、フランスは18 年9月からネオニコ使用を全面禁止する法律を可決しました。そしてついにEU でも、これまで認めてきたハウス内の例外を設けず、全面禁止する法案が提出されました。この5月に可決されれば、今年中にも実行される見通しです。

アメリカでも 15年には、ネオニコ 4成分を含む製剤の新規登録が禁止されました。全面禁止や成分そのものの規制は難しい状況ですが、使用の仕方を制限するといった前進面が見られます。アジアでは、台湾、韓国でも部分的であれ、規制の方向 です。 日本は、これら動きに反して規制緩和を進めています。 15年にはネオニコ系クロチアニジンのホウレンソ ウの残留基準が3ppmから40ppmに緩和され、新たなネオニコ系フルピラジフロンの登録が承認されました。そしてこの2月には一時中断していたネオニコ系スルホキサフロルの承認手続きが再開されました。農林水産省は、ネオニコのミツバ チへの影響を一定認めていますが、 全体の巣箱の1%程度だから対策の必要はないとしています。さらに子 どもの脳への影響には全く言及していません。日本の研究者(木村―黒 田純子)の論文が、EUのネオニコ 規制に大きく影響したことを考えると、その内容を無視した対応は早期に改められるべきです。