10月16日は国連が決めた世界食料デーです。私たちは、世界でともに闘う市民とともに、遺伝子組み換えやゲノム操作作物・食品をなくすまで闘うことを、ここに宣言します。
遺伝子組み換え(GM)作物の本格的な栽培が始まり、日本が輸入を始めたのが1996年です。この年に栽培されたのはトウモロコシ、大豆、綿、ジャガイモでした。その後、ジャガイモが栽培中止、ナタネが加わり、今日に至っています。世界的にも栽培面積は頭打ち、栽培国は減少の状況にあります。遺伝子組み換え作物は、失敗の22年といえます。
GM技術がもたらしている性質は主に、除草剤に抵抗力をもたした「除草剤耐性」と、殺虫毒素が作物の中でできる「殺虫性」の2種類で、これも当初と変わりありません。いずれも省力化・コストダウン効果があるとして栽培面積を拡大してきましたが、いまや除草剤で枯れない雑草が広がり、殺虫毒素で影響を受けない害虫が増え、手間がかかり、農薬の使用量が増加する悪循環に陥っています。そのことが人への健康被害や、希少な生物種が失われるなど生物多様性への影響を広げてきました。特に最近では、除草剤グリホサートが癌など人の健康を冒すことが明らかになり、矛盾が顕在化しています。
それにもかかわらず、バイエル社(モンサント社を買収)などの多国籍企業は、種子を支配し、世界中の食糧を支配するため、GM作物・食品の研究・開発、売り込みを進め、それに対する批判が高まると、ゲノム編集作物・食品を開発してきました。それを支えてきたのが米国政府の食糧戦略であり、日本政府もその売込みの支援者として振る舞ってきました。
新たなGM食品として成長が早い鮭が開発され、市場に出回り始めましたが、まだカナダだけにとどまっています。稲や小麦の開発も進められましたが、消費者の反対で市場化は見送られています。このようなGM技術の行き詰まりが、新たな遺伝子操作技術であるゲノム編集での研究・開発への移行を加速しています。ゲノム編集に対して環境省や厚生労働省などは、遺伝子を壊すだけの方法に関しては基本的に法的規制を行わないことを決めようとしています。
私たちは、世界で食糧戦略を進めている米国政府や、その米国政府と一体となって市民に背を向ける日本政府、企業の買収や合併などを進めより巨大化してGM作物やゲノム編集作物を推進している多国籍企業に対抗して、国際的な市民の連帯を進めてきました。これからも継続して活動を進めていきます。
2018年10月16日
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
特定非営利活動法人日本消費者連盟