日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

運営委員ブログ

【運営委員ブログ】プラスチック問題はパラダイム(※)転換を迫られている(2024年7月7日)

  「プラスチックは、ダイオキシンが出る塩化ビニルなどは生産を減らすとしても、他のポリエチレンやPETなどはリサイクルして減らしていけばよい」。こんな風に考えている方はまだ多いと思います。この間、マイクロプラスチック(MP)の問題や添加される有害化学物質の問題を考えるにつれ、私たちは「プラスチック性悪説」パラダイムにたどり着かざるを得ません。しかしまだ世の中の多数派は旧パラダイム派です。…

【運営委員ブログ】いちばん伝えたいこと(2025年5月22日)

子育て真っ最中の親御さんたちに、遺伝子組み換え食品や食品添加物などについてお話をする機会があります。ある程度、知識のある人もいれば、離乳食を始める頃に初めて気になりだした人などさまざまですが、ネット情報を見れば見るほど何が事実なのかわからない、本当のことが知りたいと言われます。 血圧を下げる効果を謳うゲノム編集ミニトマトが東京周辺の一部のスーパーなどで販売されていること、欧米では禁止されている合成…

【運営委員ブログ】「わたしたちの未来」と「湿地の未来」(2025年5月9日)

みなさんは「湿地」に対して、どのようなイメージを持っているだろうか。 水がたまっている。ジメジメしている。虫とかニョロニョロした嫌な生きものがいる。不潔で、不気味なところ・・・。 生きもの好きには、鳥類や魚類、両生類、水生昆虫、希少な植物などの宝庫。しかし、経済的には生産性の低い土地で、埋め立てて工場や住宅地にした方が人間の役に立つと認識している人は少なくないだろう。 しかし「湿地」は、浄化システ…

【運営委員ブログ】香害反対活動からその先へ(2025年3月25日)

  私が香害に悩まされ始めたのは2013年頃。最初は個人的に香害反対活動をしていました。2017年夏の「香害110番」で日消連を知り、翌2018年の院内集会をきっかけに加入。以降、これまでの活動に加えて、洗剤部会の仲間と一緒に香害反対活動を行っています。思わぬご縁に恵まれ、活動の背中を押されています。 香害を調べていくと、原因物質は一つに絞れるものではなく、香りを含め、空気中の様々な化学…

【運営委員ブログ】健康な大地から生まれる命をつなぎたい(2025年2月27日)

  夫の亡き母は、大病のあと私たちが遊びに行っても、部屋にこもり「病人だから」と何もしなくなりました。そこで「山に栗でも拾いに行こう」と提案したらそれが、的中。玄関から出たとたん、私たちの前をサクサク歩き、山に着いたら誰よりもたくさん栗を拾い、もう帰ろうと駄々をこねる孫を無視し、持ちきれないほど袋に詰めたその顔は生き生きと輝いていました。人は好きなことをするとき、自然の中で過ごすときに生き返るのか…

【運営委員ブログ】FDAが人工着色料「赤色3号」を禁止(2025年1月28日)

1月15日に突然、アメリカのFDA(食品医薬品局)が人工着色料「赤色3号」を禁止すると発表しました。日本の当局も驚いたに違いなく、今後の対応を検討すると発表しました。私たちがこれまで特に懸念していたのは、この人工着色料が子どもに与えるキャンディーやかき氷、菓子、ガムなどによく使われていることでした。 日消連は1970年代から人工着色料に反対するキャンペーンを行ってきました。そして2011年には、消…

【運営委員ブログ】交通安全の旗持ちおばさんもめまいが……(2024年12月26日)

冬になり、バス、電車に乗ると夏以上に匂いがひどく感じるようになりました。それとも以前に比べ匂いに敏感になったのでしょうか。 私は、週に3日ほど近くの小学校の登校・下校の交通安全の旗持ちの仕事をしています。外なので子どもたちとすれ違ってもひどい匂いを感じることがなく過ごしてきまたが、ある朝、マラソン大会を控え、朝礼10分前に校庭を何週か走り終えた150人程の子どもたちが、上履きに履き替えるため玄関に…

【運営委員ブログ】街の本屋さんが消えていく時代に(2024年11月22日)

    出版不況と言われる中で、街の書店が減少の一途をたどり、この四半世紀でついに半減したそうです。私の住む杉並でも数年前によく通っていた本屋さんが閉店してしまいました。   文化庁の調査では、全く本を読まない人が6割を超えたそうです。SNSの普及が影響しているのでしょうか。出版物も新刊書の発行点数こそ横ばいですが、発行部数は激減しています。そうした中で、電子書籍は年…

【運営委員ブログ】「いったいどこに住むのが安全?」(2024年10月22日)

  1990年代半ば、私が米国カリフォルニア大学で客員研究員をさせていただいていた時の思い出である。院生のマイク・ミューザー氏が、講演会を聞きに行こうと声をかけてくれた。ダイオキシン汚染で子どもの健康被害が多発したニューヨーク州ラブキャナルで、住民運動の代表として活躍した「ラブキャナルの母」、ロイス・ギブズの講演会である。ロイスらの活動があり、画期的な土壌汚染対策法、「スーパーファンド法…

【運営委員ブログ】ある学習会の場で(2024年9月24日)

  「ヨボウゲンソク?聞いたことがないです。それは何ですか?」 先日、地方議員の方々に遺伝子組み換えやゲノム編集食品についてお話する機会があったのですが、「因果関係は立証できるのか?具体的なデータは?」など何度も質問が出ました。   「予防原則」というのは、生命や環境に重大な懸念が生じる恐れがある場合、因果関係が科学的に十分証明されていなくても、手遅れにならないようあらかじめ措…