洗剤部会
洗剤部会は、1969年の創立以来、人体にも環境にも悪影響のある合成洗剤を追放する運動を進めています。これまでに、洗剤・洗浄剤の明快な表示法改正を求める運動、水道水質基準のなかった非イオン界面活性剤の基準値設定を求める運動、PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)の活用を進める活動などを、関係団体とともに行ってきました。2017年からは、強い香りの柔軟剤など着香製品による健康被害・香害(※)問題に取り組み、環境団体など7団体(※2022年からは6団体)による「香害をなくす連絡会」を結成して事務局を担い、活動しています。
※香害とは
柔軟剤、消臭除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤などの強い香りを伴う製品による健康被害のこと。体臭は含まれない。
※香害をなくす連絡会の構成団体は、日本消費者連盟(事務局)、ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議、有害化学物質削減ネットワーク、化学物質過敏症支援センター、日本消費者連盟関西グループ、反農薬東京グループ。
活動内容
- 予防原則にもとづき、被害の原因製品を販売するメーカーに販売中止を求めるとともに、国の関連省庁に被害実態を伝えて原因製品の販売規制を訴えています。
- 消費者に以下のことを訴え、草の根の運動を進めています。
・合成洗剤と柔軟剤をやめよう
・香り付き製品をやめよう。
・香害を知り合いや社会に伝えよう。
・香害被害をメーカーに訴え、製造中止を求めよう。
・香害被害を国や自治体に訴え、規制をさせよう。
・新技術の安全性を常に考えよう。
・コマーシャルを鵜のみにせず疑おう。
・体臭を過度に気にする風潮を変えよう。
・ニオイのない自然な空気をとりもどそう。
・大量生産、大量消費の社会を変えよう。
- 運動を広げるために、出版物の発行や講演会の講師派遣をしています。
- 柔軟剤など着香製品の分析や香害を研究する専門家と連携して知見を広めています。
これまでの香害をなくす連絡会の活動
2017年
- 7月、8月・日本消費者連盟が電話相談「香害110番」実施。
- 8月・患者支援、環境団体とともに「香害をなくす連絡会」結成。
- 8月・消費者庁に「香害をもたらす製品の規制を求める要望書」提出。
2018年
- 2月・文部科学省に「学校等における香料を含む製品の使用自粛に関する要望書」提出。
- 2月・厚生労働省に「『香害』防止のための施策に関する要望書」提出。
- 3月・日本消費者連盟がブックレット「香害110番」発行。
- 5月・経済産業省に「『香害』をもたらす製品の規制を求める要望書」提出。
- 5月・院内集会「香害110番から見えてきたもの」開催。
- 12月・花王、ライオン、P&Gに対し、「衣料用洗剤、柔軟剤、除菌・消臭剤など家庭用品の香料成分開示を求める要望書」を提出。
2019年
- 3月・日本消費者連盟がDVD「香害110番」制作。
- 3月・文部科学省に「学校等における香料を含む製品の使用自粛を求める要望書」提出。
- 5月・経済産業省、環境省、厚生労働省に「G20に向け家庭用品へのマイクロカプセルの使用禁止を求める緊急提言」提出。
- 5月・院内集会「柔軟剤・香りマイクロカプセル」開催。
- 7月・東京都、東京都教育庁、東京都生活文化局に「学校等における香料製品の使用自粛を求める要望書」提出。
2020年
- 2019年12月末~2020年3月末・香害アンケート実施、9332人の声が集まる
- 3月・石けんをPRTRの指定物質にする案に反対のパブコメを提出
- 3月・高輪ゲートウェイ駅における「香り演出」中止の要望書提出
- 5月・国民生活センターに「柔軟仕上げ剤のにおいに関する情報提供(2020年)」について要望書提出
- 7月・香害アンケート集計結果を発表する記者会見を開催
- 8月・岐阜県多治見市に「私企業の柔軟仕上げ剤を推奨することに関する質問書」を提出
- 9月・消費者庁、文部科学省、経済産業省、環境省、厚生労働省それぞれに、「香害をもたらす家庭用品の規制を求める要望書」などを提出、5省庁連絡会議の開催を要望
- 10月・ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、西濃運輸に、「配送員の方の制服に関する柔軟仕上げ剤使用についての質問書」を提出
- 10月・花王、ライオン、P&Gに面会を申し込むも拒否され、香害アンケート結果を送付