香害アンケートをもとに5省庁(4省庁)と面談
杉浦陽子(日本消費者連盟「香害」担当)
日本消費者連盟が事務局を務める香害をなくす連絡会は、2020年12月21日に香害をもたらす家庭用品の規制を求める要望書(2020年9月提出)に基づき、消費者庁と国民生活センター、厚生労働省、経済産業省、文部科学省(環境省は欠席)との意見交換を行いました。昨年発表した香害アンケートの9000人の声を届け、まずは原因トップの柔軟剤販売に規制をかけるよう求めました。
冒頭で香害についての認識を問うと、「解決に向けて一緒に考えていきたい」「学校で苦しむ子どもを救う方法を探っている」など、各省庁から解決すべき問題という認識が語られました。2017年に日消連が電話相談「香害110番」を実施後に、各省庁に同様の要望を出した時とは様変わりで、無視できない社会問題との認識でした。
しかし、香害を「香りに反応する特殊な人たちの病気」という受け止めは強く、誰しもが被害に遭う可能性のある公害という認識が薄いことがわかりました。そこで私たちは、香害は特別な病気ではなく商品の安全性の問題であり、香料だけではなく界面活性剤、殺菌剤、その他の添加物など化学物質の複合汚染であることを強調しました。また日本石鹸洗剤工業会が「啓発」しているように使用量を守れば問題ないのではなく、微量でも安全性が担保されていない事実を踏まえて規制をかけるべきだと迫りました。
各省庁には、まずは製品の安全性を確認して欲しいとして、国立保健医療科学院、製品評価技術基盤機構などでの分析を要望しましたが、いずれも「化学物質と健康被害の因果関係の証明は難しい」「個人差を取り除く必要がある」などとできない言い訳に終始しました。私たちは健康被害が生じていることは明らかであり、予防原則に基づいて早急に手を打つべきと訴えました。
唯一の前進面は、消費者庁が香りの自粛を求めるポスターの作成を検討すると回答したことです。5省庁の担当者間会議を引き続き開き、そこへの香害をなくす連絡会メンバーの参加を要望しました。
当日の模様は以下の記録をご覧ください。
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https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2021/01/21a0d49da76cd2f785b1d5e3a9d36cb0.pdf