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【意見書】食品添加物表示の見直し検討に関する意見書(2019年10月08日)

 

2019日消連第11号
2019年10月8日

消費者及び食品安全担当大臣 衛藤晟一様
消費者庁長官 伊藤明子様
食品添加物表示制度に関する検討会委員各位

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興

食品添加物表示の見直し検討に関する意見書

 

食品添加物表示は、消費者が食品を選択するための重要な情報です。最近の食品表示の議論では「実行可能性」の言葉の下に業界側の意見ばかりが反映されていますが、利用者である消費者の声を聞いてください。

食品添加物表示制度に関する検討会では、食品添加物に安全性の疑いがないかのような発言が目立ちますが、食品添加物の安全性評価は、ネズミとヒトとの種差を10倍として評価されたもので、不安な食品添加物はいくつもあります。科学の限界を知って、安全性の向上のために食品添加物を選択し、使用を減らす姿勢が食品事業者にも行政にも求められます。「食品添加物=安全」という消費者教育を推進してコンセンサスを得るなど、もってのほかです。

検討会で論点が示され、本格的な議論が始まりましたが、論点とこれまでの議論を踏まえ、消費者の立場から、食品添加物表示が改善されるよう、以下の点を要望します。

(1)物質名表示を基本とし、用途名表示を拡大してください
1985年に食品添加物の全面表示が決められた際、物質名表示が原則とされました。一括名、簡略名、類別名は、例外的に認められましたが、その中には膨脹剤のミョウバン、増粘多糖類のカラギナン等、安全性が懸念される食品添加物も含まれます。検討会に提出された海外の制度と比較しても、一括名等の範囲はもっと限られるべきです。簡略名と類別名は、使用された食品添加物を覆い隠すだけで、表示スペースの節約にもならないので、廃止を要望します。
旧別表第5の用途名併記は、安全性の観点で決められたと認識していますが、類似した用途(日持ち向上剤等)は用途名併記した方がよいと考えます。用途名併記を拡大することは、物質名だけではわかりにくい点を改善し、消費者の理解・選択にも役立つと考えますので、拡大を要望します。

(2)無添加・不使用表示を不当に制限しないでください
「無添加」「不使用」表示には誤解を招く不適切な表示もありますが、大部分は事業者の努力で食品添加物の使用を減らしたことの正当な表示です。虚偽、誇大な表示は現在でも景品表示法で禁止されています。「無添加」「不使用」表示が食品添加物への不安を助長すると問題視する声が検討会にありますが、食品添加物の安全性評価の限界を踏まえない意見で、事業者の正当な努力を無にするものです。「無添加」「不使用」表示を不当に制限しないよう、要望します。

(3)生鮮品、量り売り、外食産業についても食品添加物を表示してください
検討会でも出された生鮮品(農畜水産物)のほか、量り売りや外食産業等でも、事業者が原材料の表示に基づいてPOPやメニューへの表記等の方法で食品添加物を表示することは可能です。包装加工食品以外の食品も、食品添加物が使用されている場合には食品添加物表示を免除せず、義務付けることを要望します。

以上