2022年5月20日発行の「消費者リポート」をお届けします。
今月の特集は 食べものはコモンだ 多国籍企業からみんなの手に取り戻そう
ロシアのウクライナ侵攻による穀物、エネルギー価格の上昇で、食料 を輸入に頼る日本では、今後ますます食料価格が上がることが予想されます。国内の農家も、米価下落に加え肥料や燃料の高騰で喘いでいます。気候変動の影響で日本でも従来のように作物が収穫できないという声を聞くようになりました。食料危 機は目の前の問題になりつつあります。穀物商社などの多国籍企業は、これら危機に乗じて一層の支配を強めようとしています。日本消費者連 盟は、食べものは空気や水などと同様に 「共有財=コモン」だと考え、食べものを多国籍企業からみんなの手に取り戻す食料主権の確立が必要だと考えます。
本誌編集長 杉浦陽子
━━━《内容》
1・表紙
2・山菜の季節に思ったこと 自給農家 佐藤藤三郎
3・特集:食べものはコモンだ 多国籍企業からみんなの手に取り戻そう >>
4-7・愛知学院大学教授、 FFPJ常務理事・関根佳恵さんに聞く 食料危機は克服できる小規模・家族農業の推進と食料主権の確立で 【日消連総会記念シンポジウム(会場とオンラインの併催)「 食べものはコモンだ~多国籍企業からみんなの手に取り戻そう」日時:6月19日(日)13:30-16:30 会場:東京・連合会館203号 会議室】
私たちの食料主権 齊藤 超(こゆる)さん (千葉県匝瑳市) 遺伝子組み換えでない国産を守る 大豆畑トラスト運動 / 鈴木一正さん (静岡県富士宮市)シードバンク活動 在来種を受け継ぎ次世代につなぐ / 食農部会のメンバーを募集 食料主権を取り戻すために 日消連・食農部会担当 纐纈(こうけつ)美千世
8-9.Hot News フィリピンでGMイネ栽培阻止の動き マーティン・フリッド (日消連・国際委員会)/ 身近な環境ホルモンの国際調査結果 槌田(つちだ) 博 (有害化学物質削減ネットワーク) / みどり新法に生物多様性盛り込まれず 谷口吉光 (秋田県立大学教授、 日本有機農業学会会長) /【連載】 I LOVE 憲法 私の好きな条文 (2)前文 全世界の国民が平和の内に生存する権利 あの頃の日本も、 今のウクライナも 大野和興(82 歳・日消連共同代表)
10.世界の消費者ニュース NEWS CLIP 3 月〜4 月20 日 EU、化粧品へのリリアルの配合を禁止 他
11・そこが知りたいQ&A 衣料品の安全な色は? 【答える人】原 英二 (日消連・食の安全部会)/ 【フランス 田舎だより】 古民家は生物多様性の味方 前田レジーヌ
12.各地の話題from福岡 博多湾・和白干潟の豊かな自然を未来の
子どもたちに残そう「和白干潟を守る会」 代表 山本廣子/Information 参加しませんか? 各地のイベント情報 連続オンライン学習会 ◎食品添加物表示についての市民集会(リアル&オンライン)5 月30 日 (月)14:00-16:00 東京・衆議院第1議員会
13・くらしにSpice! Book:地域の資源を自らの手に取り戻す──『 再生可能エネルギーと環境問題~ためされる地域の力』 (傘木宏夫 著)/Cinema: 耐えられない体験を次世代に渡して──『 スープとイデオロギー』 (ヤン ヨンヒ監督)
14・連載「世界で広がる有機給食」(8) ドイツ編 小学校以上に給食はなし 幼稚園では有機取り入れ肉減らす動き 田口理穂(在独ジャーナリスト、ドイツ法廷通訳)
15・事務局から&わせだより
16・Gallery 自伐型林業を担う若手たち 上垣 喜寛(NPO 法人自伐型林業推進協会・事務局長) 山と人をつなぐ「森の編集者」へ