前回、毒と薬について述べましたが、化学物質の有害性はほとんどの場合、生体の物質と類似した物質が問題になります。今回取り上げる環境ホルモンも同様です。異質な物質の場合、体に排除する仕組みがあるため、むしろ影響を受けにくいのです。
ホルモンに似た人工的化学物質
米国の科学者シーア・コルボーンらによる警告の書『奪われし未来』の翻訳が刊行され、環境ホルモンが大きくクローズアップされたのが1997 年のことでした。今日では「環境ホルモン」のホの字も話題にもなっていませんが、問題が解決されたわけではありません。環境ホルモンは、[…(1175文字) 続きを「消費者リポート」pdf版を購入して読む]