日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

消費者リポート 1530号 2013.03.21

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▶先日、本号にも紹介されている映画「食卓の肖像」をつくった金子サトシ監督と配給会社オムロの西田宣善社長が、プロモーションを兼ねて日消連事務所を訪ねて下さいました。「美容と健康にいい」と売られていたライスオイルに含まれていた化学物質PCBとダイオキシンが、何も知らずそれを食べた14,000人以上の人々の体を蝕んだ「カネミ油症事件。私たちの食べものの工業化が進んだ1960年代に起きた「食品汚染の原点」とも言える事件です。▶その時いただいた招待券で試写会で観させていただきました。観終わって最初に心に浮かんだ言葉は「救われた」でした。もちろん、映画の観客である自分が、です。PCBとダイオキシンを体内に取り込み、塩素挫瘡や「黒い赤ちゃん」、さまざまな内臓疾患などの健康被害、そして差別や偏見に苦しんできた人たちが、この映画を観たあとは「被害者」という特別な人たちではなく、自分の家族や旧知の友だちのように感じられる。「かわいそうに」とか「辛かったでしょう」というのではなくて、「自分もぜったい同じように感じ、同じことをしていたはず」という実感、と言ったらいいんでしょうか。その痛みや憤りに、自分を自然に、すなおに重ね合わせることができるのです。そして、苦しみや憤りを持ち続けながらも、それぞれに生きがいを見つけ、「人生、苦しいことばかりじゃないさ」とおおらかに語るその姿に、「人間って強いもんなんだなあ」としみじみ納得させられるのです。その向こうには、自然と、福島の現在の(そして将来の)被害者の姿が重なって見えてきます。▶…とまあ、ヘタな感想文を読むよりも、とにかく映画を観て下さい。4月6日から新宿 K’s cinema (www.ks-cinema.com)のモーニングショーで上映(3週間の予定)。西日本でも上映交渉中。自主上映の問合せ: オムロ 西田宣善 (nishidan@omuro.co.jp  スパム防止のため@を全角にしてあります。)(共同代表・真下)

もくじ


  • 1・hot news 日消連シンポジウム:食品中の放射能はいま——消費者と生産者のための放射能測定
  • 2・news file 子ども・被災者支援法に予算を!:「支援法」具体化を求める院内集会報告
  • 2・news file 放射性物質をこれ以上発生させない——核融合科学研究所の重水素実験に反対!
  • 3・news file 地域で守られている種子を次代に継いでいこう:第15回大豆畑トラスト運動全国集会報告
  • 4・focus 原子力災害から2年:食と農を再生するために放射性物質の分布マップの作成から『営農指導データベース』の構築へ
  • 6・announce 照射ジャガイモから放射線が出てる!?:みんなで流通・販売を監視しよう!
  • 7・column 子どもの農薬ばく露は可能な限り制限を―米国小児科学会が勧告
  • 8・hot news LED照明は安全なのか?②:青色光の強度測定でわかったこと