日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

要請書「築地市場の豊洲新市場移転の即時中止を求めます」

2016日消連第11号
2016年11月4日

東京都知事 小池百合子様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興

要請書「築地市場の豊洲新市場移転の即時中止を求めます」

 私たちは1969年より「すこやかないのちを未来につなぐ」を理念に掲げ活動している消費者団体です。

 築地市場の豊洲新市場移転には、食の安全が守られないことなどを理由に、2006年から反対し続けています。貴職が豊洲市場への移転を延期するとともに、築地市場の閉鎖及び解体工事の延期を決めたことは評価いたします。しかし、延期決定後も豊洲市場で土壌汚染対策の盛り土がされていなかった事実が明らかになったり、都の調査で豊洲市場の地下水から環境基準を超すベンゼンやヒ素が検出されたりするなど、貴職が延期の理由として挙げた「安全性への懸念」は増す一方であるにもかかわらず、未だに豊洲市場移転を中止する決定がなされないことに疑問を持っています。

 このたび盛り土問題に関する責任者を明らかにし、処分する考えを示していらっしゃいますが、それで豊洲移転問題が解決したわけではありません。そもそも有害物質で汚染された東京ガス工場跡地を生鮮食品を扱う市場の移転先として選んだこと自体が間違いなのです。

 築地市場は「日本の台所」であり、「世界の魚河岸」です。豊洲移転が決して東京都だけの問題ではないことは、昨今の熱心な報道をみても明らかです。貴職の決断には国内外を問わず注目が集まっています。食べものは人の身体をつくり、それは次世代以降にも影響するものです。そのような大切な食べものを扱う市場を汚染地につくることは断じて認められません。豊洲への市場移転を一刻も早く中止していただくことを強く求めます。

以上