照射ジャガイモを知っていますか? ジャガイモの芽が出ないように、放射線を照射したもので、端境期の2~5月頃に出回ります。ただ、照射ジャガイモの流通実態はよくわかっていません。そこで、日本消費者連盟も参加する「照射食品反対連絡会」(※)は照射ジャガイモを見つけたら連絡会に通報するよう呼びかけています。
日本は食品への放射線照射を原則、禁止していますが、唯一の例外としてジャガイモの芽どめにのみ許可しています。スーパーなどで販売する際には「芽どめじゃが」と書いたシールを貼ることが義務付けられています。最近では千葉県や埼玉県、広島県などでの販売が確認されており、連絡会では販売店に食品照射の危険性を知らせるパンフレットを送るとともに、販売中止要請を行ってきました。
それにしても、ジャガイモの芽どめは必要でしょうか? 個人的にはそもそも1年中ジャガイモを流通させる必要などないと思っています。そこまでは言い過ぎとしても、保管技術が向上しているため、端境期も以前に比べ短くなっているようです。放射線照射した食品を積極的に食べたいという人はほとんどいないと思います。それなのにジャガイモへの照射を続けるのは、原子力の平和利用という名目で原発を推進したい力が働いているからでしょう。
何年か前に牛の生レバーの提供・販売が禁止された際、生レバーにガンマ線を照射することで殺菌し、「レバ刺し」の復活を画策した人たちがいます。そこまでして食べたいですか?
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(纐纈美千世)