2018日消連第12号
2019年3月15日
日本放送協会 御中
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
3月13日放映「ガッテン!」内での柔軟剤使用の推奨について
公共放送事業につきましては、いつもご尽力いただきありがとうございます。
さて、私共は、「香害(こうがい)」問題に取り組んでいる市民団体です。2017年夏に、市民向けに香害に関する声を募った「香害110番」では、寄せられた香害の原因のトップは柔軟剤という結果でした。その後、香害への関心も高まってきております。
こういう中にありまして、3月13日総合テレビにて放送の「ガッテン!」内で、傷んだ衣類を復活させるワザとして、柔軟剤の使用を推奨していたことには、憤りを感じました。
柔軟剤は、合成界面活性剤を使用した製品ですので、皮膚刺激性が強く、生分解性が悪いことから、健康にも環境にも悪い製品であることは周知の事実です。更に、柔軟剤には、アレルゲンとなる香料成分、また、有害なVOCを発する化学成分が含まれているとも、言われております。
柔軟剤の負の側面に触れることなく、製品の使用を推奨するとは、公共放送としてあるまじき姿勢と思われます。番組放送前に、こうした問題点について十分検討されたのでしょうか。
番組内では、「化学物質や香料が気になる方」向けの柔軟剤の使用法をテロップで流し、そうした方への配慮をしているおつもりのようでした。しかし、「化学物質や香料が気になる方」は、自ら柔軟剤を使用することは稀で、現実的には、他人の使用する柔軟剤から発する化学物質や香料で健康被害を受けるのです。ですから、柔軟剤使用を推奨すること自体が、こうした方への健康被害を広める行為なのです。
つまり、この番組は、香害という公害被害の拡大に加担しているに他なりません。
香害が社会問題となっているこの時期に、その元凶である柔軟剤を推奨する番組を放送したことの責任は重大です。断固抗議するとともに、番組内容の訂正、撤回を求めます。
以上