日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【回答】ゲノム編集動物食品についての質問状への厚労省と調査会の回答(2021年4月16日)

 

2021年3月30日に日本消費者連盟と遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンが出した「ゲノム編集動物食品についての質問状」に対し、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会遺伝子組換え食品等調査会(調査会)と厚生労働省から回答がありました。

調査会と厚労省の回答→https://nishoren.net/wp/wp-content/uploads/2021/04/28d2118bd045975f4b0686374f98375c.pdf

———————————————————————————————————————————————–

令和3年4月 16 日

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン 代表    天笠   啓祐 様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表   大野  和興  様
共同代表   纐纈美千世  様

 

薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会  遺伝子組換え食品等調査会
厚生労働省医薬・生活衛生局 食品基準審査課新開発食品保健対策室

 

ゲノム編集動物食品についての質問状への回答について

 

令和3年3月 30 日付け「ゲノム編集動物食品についての質問状」について、以下のとおり回答します。

質問1 調査会で議論されているゲノム編集魚類は養殖を前提で開発が進められているようですが、養殖場から逃げ出した際の環境への影響を評価していますか。評価しているなら、それを公開してください。評価していない場合は、その理由を示し てください。

質問2 京都大学の木下政人氏や九州大学の松山倫也氏が研究開発するゲノム編集魚類 を養殖する際に、環境中に逃げ出すのを防ぐために、どのような対策を講じますか。対策の詳細を示してください。また、その対策をとれば、100%防護できますか。

環境への影響についての評価は、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部 会遺伝子組換え食品等調査会では行っておりません。これらに関する御質問については、厚生労働省からは回答いたしかねます。

 

質問3 ゲノム編集魚類のオフターゲット及びオンターゲットはどのように調べましたか。全ゲノムを調べたのならデータを公開してください。それとも一部しか評価していないのでしょうか。その評価でどのような結論が出たのでしょうか。

質問4 モザイクの存在は調べたのでしょうか。調べたのであれば、どのような調べ方をしたのか、加えてそのデータを公開してください。もし調べていないのなら、その理由を開示してください。

質問5 エピジェネティックな異常は見られなかったのでしょうか。その評価の方法について示してください。

質問6 ゲノム編集された肉厚マダイは、通常のマダイに比べてどの程度肉量が増えますか。肉量が増えることで、たんぱく質やアミノ酸、その他の成分でどのような変 化が生じていますか。それにより食べものとしての安全性に問題は生じないのでしょうか。生じないとすれば、その根拠を示してください。

質問7 ゲノム編集技術を応用することで、遺伝子に予想外の変化が生じるなど、食品の安全性に問題が生じる可能性がありますが、その点についてはどのように確認しましたか。動物実験などで食品としての安全性評価を行っていますか。行っていれば、そのデータを公表してください。行っていないなら、理由を示してください。

現在、厚生労働省として、個別品目としてのゲノム編集技術を用いた魚類について審議はしておりません。
個別品目の詳細については、厚生労働省ホームページにて公開している情報以外は、企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益若しくは不利益を与えるおそれがあるため 回答を差し控えます。
「ゲノム編集技術応用食品及び添加物の食品衛生上の取扱要領」(令和元年9月19日大臣官房生活衛生・食品安全審議官決定)に則り、事前相談において、利用したゲノム編集技 術の方法及び改変の内容を確認してまいります。

 

質問8 商品化の壁になる特許権問題はどのようにクリアしましたか。具体的に示してください。その他の知的財産権に関して、問題は生じていないのでしょうか。

質問9 ゲノム編集された魚類を販売する際、ゲノム編集で遺伝子を改変した旨を表示しますか。もし表示するとなると、どのような表示になりますか。表示しないなら、その理由を示してください。

これらに関する御質問については、厚生労働省からは回答いたしかねます。

以  上