日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【声明】共謀罪法案を廃案に(2017年5月24日)

 日本消費者連盟は、「すこやかないのちを未来へつなぐ」を合言葉に、普通に暮らす人びとが平和に、おだやかに、安心して生きる権利を守りぬくことをめざして活動を続けている市民団体です。私たちはそうした活動を大切にするため、これまで何回にもわたって共謀罪制定に反対の意思を表明してきました。

 2017年5月23日、自民、公明、維新により、共謀罪法案が衆議院本会議で強行採決され、参議院に送られました。共謀罪法案は審議を重ねれば重ねるほど疑問が深まっています。人々の生活や行動に広範囲に監視の網をかけなければ容疑をかけられない、あいまいな世界を対象としています。インターネットへの捜査当局の侵入、盗聴、密告など、監視社会成立を執行の前提としているのです。

 日本消費者連盟は、消費者・生活者のいのちを守る活動の一環として、たとえば環境や人の健康を害する洗剤を規制するための政府や洗剤メーカへの働きかけ、遺伝子組み換え作物・食品を進める企業への異議申し立て、人や動物の神経系を脅かすネオニコチノイド系農薬の規制を求める運動や農薬会社への働きかけをしています。共謀罪の適用法律の中には、特許法や実用新案法、会社法なども入っています。こうした活動は、場合によっては企業活動に対する妨害とか、企業の知的財産権の侵害ということで共謀罪の対象になりかねません。

 対象法律には種苗法も入っています。品種育成者の権利を守るための法律です。市民農園仲間で園芸店から種苗登録された種を買い、仲間で手分けして種取りをして、その種を分け合ったら共謀罪で一網打尽、といった悪夢が浮かんできます。当たり前の日常と思っていた世界が、共謀罪で一変してしまうのです。

 悪夢を正夢にするのが共謀罪です。私たちは、そんな世界をつくりたくありませんし、そんな世界に住むのはまっぴらです。だから、日本消費者連盟は共謀罪法案廃案をめざします。

2017年5月24日
特定非営利活動法人日本消費者連盟