2017年6月26日
2017日消連第15号
東京都知事 小池百合子様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
生鮮食品市場としての豊洲市場利用決定に抗議し
豊洲移転中止と築地再整備を求めます
私たち消費者は築地市場の豊洲移転に反対しています。6月20日に貴職が発表した「(生鮮食品)市場を豊洲に移転し、築地を食のテーマパークとして再開発する方針」には、都民だけなく、多くの消費者が失望し、憤っています。豊洲市場では食の安全・安心は到底守れないからです。食を扱う市場として豊洲を利用する方針の撤回と、築地市場を営業しながら改修する「築地再整備」の採用を強く求めます。
食べものは私たちの身体をつくります。そして、自分が食べたものは自分の身体になるだけでなく、次の世代にも引き継がれます。そのような大切な食べものを扱う市場を、高濃度の有害物質が残存する豊洲の東京ガス工場跡地に移転させるのは、現在だけでなく未来の食の安心・安全をも脅かすものであり、許されざる行為です。
貴職も認めたように、豊洲市場予定地の土壌汚染は未だ「無害化」が達成されていない状態です。汚染対策のための「盛り土」がなされていなかったことが判明した時点で、豊洲移転を中止するべきでした。6月23日の記者会見で、盛り土がなされていない「地下空間」の追加対策として、「豊洲市場における土壌汚染対策等に関する専門家会議」による地下空間の底面にコンクリートを敷く提案を採用する方針であることを発表しました。しかし、コンクリートは数年たてばひび割れが生じ、そこから水銀などのガスが侵入してくるであろうことは容易に想像できます。そのような場所に市場を移転させることは、消費者として受け入れられません。
築地魚市場は、日本だけでなく世界が認める、かけがえのない市場です。長い年月をかけて仲卸業者をはじめとする市場関係者のたゆまぬ努力によってつくりあげられた「目利きの技」、それが築地ブランドです。その築地ブランドは、築地があくまでも公設の卸売市場であることでしか守ることはできません。
食の安全・安心を守るために、豊洲移転決定を即時撤回し、築地再整備に一刻も早く着手することを求めます。
以上