2017年日消連第37号
2017年12月13日
全日本空輸株式会社
代表取締役社長 平子裕志様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
「ANAオリジナルアロマサービス」の再度の中止要請および公開質問状
11月27日付でお送りした中止要請に対し、12月8日付でご回答をいただき厚くお礼を申し上げます。
ご回答の中に、「客室乗務員にお申し出いただければ当該のおしぼりの提供を控えさせていただきます」とありますが、本人が申し出ても周囲の人がおしぼりを使用したら、機内の空気ですから影響は受けます。飛行機という密室空間の中で香料は機内に広がり、化学物質過敏症など人工の香料に敏感に反応する方は健康被害を受けることになります。
ご回答の中でいくつか再度質問させていただきたい項目がありますので以下に書かせていただきます。誠に恐縮でございますが、12月22日までにご回答をいただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
記
1.アロマサービスを行っていることを誰にもわかるように搭乗前の乗客に広報していますか?
2.「天然アロマ」とされる香料でも、香りを補強・安定させるための人工化学物質や抽出溶剤が使用されていることもあり、その成分が必ずしも表示されているとは限りません。ご回答の中にありました高野槇と吉野檜他12種類の植物から抽出した100%天然のアロマとありますが、12種類の植物名と安全性を証明する文書を送ってください。
3.前文に書かせていただいたように、機内のアロマの香りを含んだ空気はおしぼりを断った人にも作用します。香料は喘息発作の誘発因子でもあり、香りによって鼻粘膜の痛みやくしゃみ・咳を起こすばかりではなく、最悪の場合アナフィラキシー状態に陥ります。医師が搭乗していない場合もあるでしょうし、いたとしても化学物質過敏症を診断できる医師は極めて少ない現状の中で、そのような時にどのような対応をされますか?
4.上記のように、アロマサービスは顧客の健康を損なう可能性が大きいので「アロマサービスで健康を害する方もおられることから、大事なお客様の健康を守るためアロマサービスを中止します」とされた方が、貴社に対する信頼が増すと考えますがいかがでしょうか?