日本消費者連盟
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【質問状】 新型コロナウイルス・ワクチンについての公開質問状(2020年9月8日))

加藤勝信厚生労働大臣宛で下記の質問状を提出しました。

 貴省は、7月31日、米国ファイザー社との間で、新型コロナウイルス・ワクチンについて、成功した場合、来年6月までに6000万人分の供給を受けることで基本的に合意したと発表しました。貴省はさらに、8月7日にも、英国アストラゼネカ社との間で、成功した場合、来年初頭から1億2000万回分の供給を受けることで基本合意したと発表しました。先進各国がワクチンの確保に動いていますが、貴省も積極的に確保に動いておられます。まだワクチンができておらず、その有効性や安全性すらわからない段階での大規模な合意です。

 ワクチンは、ただでさえ副反応で子どもたちを中心に健康被害が起きています。ワクチンは医薬品と異なり、健康な人に接種します。慎重な上にも慎重さが求められます。今回は、開発を急ぐため、従来の開発方法とは異なる方法で開発している新型バイオワクチンで、ワクチンの作用の仕方もまったく異なります。しかも大規模な接種が考えられています。副反応による被害が拡大するのではないかと強い懸念を持たざるを得ません。そのため、下記の質問を行います。

 ご多忙のところ恐縮ですが、9月23日までに下記事務局まで文書にてご回答をいただければ幸いです。頂いた回答は、当団体内外で共有させていただきますのでご了解ください。

1、貴省は、通常ワクチン開発で必要な審査も短縮させるなど規制を緩和して、ワクチン開発を急がせています。そのため基礎研究と動物実験、人間を用いた臨床研究を並行して進めることを容認しています。同時並行するということは、安全性も有効性もほとんど確認されない段階で人間に接種して、それを確認することになります。なぜ、今回に限りこのような安全性を軽視した行為を容認したのでしょうか。

2、今回、ファイザー、アストラゼネカといった多国籍製薬企業との合意では、従来の生ワクチン、不活化ワクチン、VLPワクチンではなく、新たなmRNAワクチンやウイルスベクター・ワクチンです。これらのワクチンは、人間への接種の経験がなく、人体実験に近いものです。ナチス・ドイツの経験を踏まえ先端医療における人体実験を禁止した、世界医師会によるヘルシンキ宣言(1964年)に違反する行為だと言えないでしょうか。どのようにお考えでしょうか。

3、新型バイオワクチンには、購入することで基本合意したmRNAワクチン、ウイルスベクター・ワクチンに加えて、DNAワクチンがあります。この3種類のワクチンの基本となる考え方は、従来の生ワクチン、不活化ワクチン、VLPワクチンが、いずれもワクチンそのものを作って人間に接種するのに対して、体内に導入された時にワクチンの機能を持ったたんぱく質を作るようにしたものです。ワクチンの働きをする物質を、人間が体内で作り出すことになるとすると、これは遺伝子治療の考え方であり、人間の遺伝子組み換えといえます。遺伝子治療には、遺伝子治療臨床試験のガイドラインに規定されるはずですが、その点についての見解をお示しください。

4、今回契約で合意したウイルスベクター・ワクチンとともに、大阪大学発のベンチャー企業のアンジェス社などが開発しているDNAワクチンについてですが、これらのワクチンは、遺伝物質が細胞の核の中に入り働くことが想定されます。これがもし生殖細胞に入れば、人間の遺伝的改造につながります。これは倫理的に許されないことです。その点についてどのようにお考えでしょうか。

5、新型バイオワクチンは、人間の遺伝子組み換えである以上、遺伝子を組み換えたすべての生物を対象としたカルタヘナ議定書の対象になるはずです。その点についてどのようにお考えでしょうか。また環境省と話し合っているのでしょうか。

6、人間の免疫システムは複雑であり、さまざまな免疫関連細胞が連絡を取り合い、働いて成り立っています。そこに、これまで経験がない働き方をする新型バイオワクチンが、その複雑な仕組みに介入することで、アレルギーや過敏症、自己免疫疾患などをもたらす危険性があります。その点についてどのように対応されようとしているのでしょうか。

7、大規模な副反応が起きた際に、政府は企業の責任を免責する方針を示していますが、これは消費者保護を目的にした製造物責任の考え方に反するものです。その点についてどのように考えますか。また国が接種を推進すれば国家賠償の対象になりますので、本来、企業及び国の両社が責任を負うべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

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