日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

東急電鉄に「香りの空間演出」の中止要請と質問状

東急電鉄による駅構内での「天然アロマによる香りの空間演出」は、化学物質過敏症に苦しむ人への配慮に欠けるとして、このたび中止要請および公開質問状を出しました。

2015日消連第32号
2016年2月9日

東京急行電鉄株式会社
取締役社長 野本弘文様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 安達由起
共同代表 大野和興
共同代表 田坂興亜

「天然アロマによる香りの空間演出」の中止要請および公開質問状

 

私たちは1969年に「すこやかないのちを未来につなぐ」をかかげて発足し、草の根運動を続けている消費者団体です。

この度、1月25日付けの貴社ホームページで、2月1日から東急線の改札口や渋谷駅構内の観光案内所など17駅23カ所で天然アロマによる香りの空間演出を開始することを知りました。ニュースリリースには「天然のアロマには、空気環境を整えたり、心身共にリフレッシュ、リラックスをさせる効果も期待できます」とあり、今回の空間演出は貴社が取り組んでいるお客様サービスの一環だと拝察します。しかし、香りは人をさわやかな気分にする効果がある一方で、体に合わない人にとっては非常に迷惑なものとなります。とりわけ化学物質過敏症で苦しむ人が全国で100万人を超えると言われている中、今回の「アロマ空間演出」はそのような人への配慮が欠けており、問題があると考えます。また、天然のアロマとは言え、乳幼児や妊婦には使わない方が良いとされているものもあります。なお、化学物質過敏症や香料による被害については、以下の団体のホームページをご参照ください。化学物質過敏症支援センター(http://www.cssc.jp/)、国民生活センター香料被害情報(http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20130919_1.pdf)。

私たちは、今回の「アロマ空間演出」でアレルギーを発症したり具合の悪くなる人が出る可能性があることを懸念しています。一刻も早い中止を求めるとともに、以下、質問いたします。お忙しいところ恐れ入りますが、回答は2016年2月22日までに文書にていただきますようお願いいたします。

1.今回の「アロマ空間演出」はシースルー改札口および渋谷ちかみち総合インフォメーション、渋谷駅観光案内所で行われるということですが、化学物質過敏症の人などでこれらの施設を利用したいがアロマを避けたいと思っている人にはどのように対応されますか。

2.今回の「アロマ空間演出」で化学物質過敏症の人などに被害が出た場合、どうされますか。具体的な対処方法をお聞かせください。

以上

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