今年に入って、スウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を認められたというニュースをご覧になった方も多いでしょう。NGO「スウェーデンの平和」は、この話が出た時から加盟に反対してきました。NATOに加盟すると、スウェーデンが軍縮や人権について独自の主張を持つことが制限されるからです。
すでに2023年12月に、スウェーデンは米国との間に2国間防衛協力協定を結んでいます。それによって米国は、スウェーデンの17の軍事基地の利用が可能になりました。協定は、戦闘車両の保管、弾薬、兵器システムなどについても規定しています。ノルウェーとデンマークは、それぞれに米国と防衛協力協定を結んでおり、条文には、領土内に核兵器を事前備蓄することを認めないと明記しています。スウェーデンの協定には、このような核兵器に関する留保が含まれていないと、「スウェーデンの平和」は指摘しています。
「スウェーデンの平和」は常に例外なく、非暴力と平和的紛争解決を信念としています。1883年に設立され、現在も活動している世界最古の平和団体です。彼らは20世紀にスウェーデンが2度の世界大戦に巻き込まれないようにする運動の一員だったのです。日本が平和活動を強化する中で、このような優れたNGOの活動から多くを学ぶことができると思います。
(マーティン・フリッド)