日本消費者連盟
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日本脳炎ワクチンによる死亡!副作用被害の調査と定期接種の見直しを!

特定非営利活動法人日本消費者連盟とワクチントーク全国は、岐阜県での日本脳炎ワクチン接種による被害をうけ、「乾燥組織培養日本脳炎ワクチン予防接種の死亡例について緊急に原因究明し、同ワクチンの副作用の詳細な公表と、定期接種の中止を求める申し入れ」を厚生労働大臣あてにしました。

日本脳炎のワクチンは、副作用とみられる重い神経障害が報告され、7年前から事実上中止されていましたが、3年前、新たなワクチンに切り替えられました。私たちは、日本脳炎の病気の現状、ワクチンの副作用の多さから、ワクチンの必要性がないこと、有害事象が重篤であることから日本脳炎ワクチンの定期接種に反対してきました。今後、厚労省との交渉を求め、定期接種としての接種をやめるよう要請していきます。

                               2012年10月19 日

厚生労働大臣

三井 辨雄 様

 

                              ワクチントーク全国

                         事務局   青野 典子

                           栗原  敦

                               母里 啓子

                        特定非営利活動法人日本消費者連盟

                              共同代表 天笠 啓祐

                古賀 真子

真下 俊樹

山浦 康明

 

 

乾燥組織培養日本脳炎ワクチン予防接種の死亡例について緊急に原因究明し、

同ワクチンの副作用の詳細な公表と、定期接種の中止を求める申し入れ

 

冠省 私たちは、予防接種を受ける立場で考え、ワクチン接種による被害者、研究者、保護者等とともに行動する市民団体です。

報道によれば、岐阜県美濃市藍川のクリニックで12年10月17日、日本脳炎の予防接種を受けた小学5年10歳の男児が約5分後に意識不明、心肺停止状態となり、約2時間半後に死亡が確認されたとのことです。また、10月18日は、7月にも接種1週間後に急性脳症により死亡した子がいるという報道がありました。しかし、貴省は子どもの年齢や地域については明らかにしていないとされています。

日本脳炎は、第2次世界大戦後の混乱期には数千人の規模での発症を繰り返していましたが、1960年代後半から激減し、最近20年以上は1ケタの発症で、そのほとんどが限定された地域での65歳以上の高齢者で、40歳以上が85%をしめています。

日本脳炎のワクチンは、副作用とみられる重い神経障害が報告され、7年前から事実上中止されていましたが、3年前、新たなワクチンに切り替えられました。私たちは、日本脳炎の病気の現状、ワクチンの副作用の多さから、ワクチンの必要性がないこと、有害事象が重篤であることから日本脳炎ワクチンの定期接種に反対してきました。
日本脳炎ワクチンは個人の感染予防を目的とするワクチンであり、接種率を上げることで流行を防ぐことはできません。病気の重篤さからワクチンによる接種を維持することで、若年層の感染を防ぐことができるとしてワクチンの必要性が強調されてきましたが、貴省のデータによれば、接種率自体も、第一期初回接種2回が80%、初回追加接種は50~75%、二期接種は50~60%とされており、接種率は感染を防御する程度に至っていません。

そもそも、日本脳炎は人から人には感染しない病気であり、コガタアカイエカが媒介するので、蚊にさされて、抵抗力のない人に発生するものですが、毎年の患者発生は少なく自然感染しても発症しないので、抵抗力をつけているとみられます。2000年に国立感染症研究所が同ワクチンに接種者、非接種者を対象に行った抗体保有率調査では、9歳から20代前半の接種者では90パーセントを超える抗体、非接種者でも80パーセント弱の抗体を保有しており、自然感染で抗体を獲得して発症していません。その後、必ずしも自然感染獲得の抗体価が高くないので、ワクチン接種が必要であるとの論文が発表されていますが、一般的に、日本人と日本脳炎という病気には共生関係ができていると言え、ワクチン接種の必要性には疑問があります。

一方、ワクチンにはこれまで多くの副作用、ことに脳炎や急性散在性脳脊髄炎(ADEM)などを含む重篤な中枢神経系障害が、毎年数名発生してきました。03年に6人のADEMが発生したことにより、05年にそれまでのマウス脳による製法のワクチンの接種を実質的に中止し、乾燥組織培養法によるワクチンを開発するとして、09年1月に阪大微研製の「ジェービック」が承認され6月より接種開始されました。

承認時に提出された「審査報告書」やその後の追加報告でも、新ワクチンは量が少なくてもアレルギー反応による髄膜刺激症状や大脳機能の変調をきたす危険性が危惧されていました。予防接種後副反応報告書によれば、接種者数が増えるにしたがい副反応報告も増えています。予防接種後副反応報告書では2010年度(22年度)148件、脳炎・脳症3件、けいれん12件、運動障害3件、その他の神経障害4件と報告されています。麻痺様行動や行動異常を伴ったことがやや目立った。これらをどのように考えていくか今後の課題になろう。」と結ばれています。また、薬事法上の副作用報告では、承認時より2010年1月5日までに、21件の報告があり、ADEM1件、小脳性運動失調1件、けいれん4件、顔面神経麻痺1件など神経系障害7件が報告されています。

報道によれば、乾燥組織培養法前の日本脳炎のワクチンは、ことし3月までにおよそ1000万回接種されましたが、接種後の死亡例は報告されていなかったということで、貴省は、直ちに接種を中止する必要はないとしています。しかし、すでに2例の死亡例が報告されている以上、即刻中止して、徹底的に原因究明すべきです。病気の流行期でもなく、ワクチンの必要性が疑問視され、死亡例が発生したことを真摯に受け止めるべきです。

私たちは、貴省に対して、以下の点について申し入れます。

 

1 乾燥組織培養日本脳炎ワクチンの接種を中断し、日本脳炎の今回の死亡事故の原因を徹底究明すること。ほかの事例がないかを緊急に調査すること。

2 乾燥組織培養日本脳炎ワクチンは、承認時「Vero細胞を用いて製造されるはじめての医薬品であるので、重篤な副反応に関するデータの収集及び評価を行うこと」と貴省のQ&Aに書いてあります。接種開始後の予防接種の副作用について詳細に公表すること

3 日本脳炎ワクチン接種に必要性について、広く市民の意見を聴く場を設け、乾燥組織培養日本脳炎ワクチンの定期接種や勧奨を中止すること

 

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