アジア学院理事、元国際基督教大学教授 田坂 興亜
塩素をめぐる科学史
塩素という元素は、私たちの体の中や、海の水を含めて、地球上に広く存在している元素です。その塩素は、すべて「塩素イオン(Cl–)」という形で存在しています。ところが、人類が電気を「発電する」技術を開発し、その電気を使って塩水を「電気分解」して、ガラス製造などに必要な苛性ソーダを取り出すようになると、そのプロセスの「副生物」として、塩素分子(Cl2)が発生するようになりました。この塩素分子は、ガス状で、毒性があり、悪臭がします。これを放出することにより、大きな環境問題を引き起こしました。
第一次世界大戦の時、ドイツでは、[…(3522文字) 続きを「消費者リポート」pdf版を購入して読む]