環境汚染や健康被害をもたらすとして、合成洗剤反対運動を長年にわたって続けている日消連はこのたびゆうちょ銀行に対し「安全性に問題のある合成洗剤の配布をやめてください」と申入れしました。ゆうちょ銀行からは10月22日付の回答が届きましたが、こちらの問題提起にはまったく応えていない内容でした。
ゆうちょ銀行からの回答
2015日消連第30号
2015年10月13日
日本郵政株式会社
取締役兼代表執行役社長 西室泰三様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 安達由起
共同代表 大野和興
共同代表 田坂興亜
ゆうちょ銀行定額貯金キャンペーンについての申し入れ
私たち日本消費者連盟は1969年の創立以来、「すこやかないのちを未来につなぐ」ことをもっとも大切な理念として、草の根の市民活動を進めている消費者団体です。
当連盟の会員より、ゆうちょ銀行の定額貯金キャンペーンとして台所用合成洗剤が配布されている、という情報がありました。実際に2015年6月15日~7月31日まで行われたプレゼントキャンペーンには「食品用洗剤」と銘打った合成洗剤が配布され、それらは「野菜・果物用」の用途表示がある「台所用合成洗剤」でした。1978年に出された科学技術庁(当時)の研究報告でも、合成洗剤で洗うことについては、「注意する必要があろう」と警告されています。これまでにも会員が個人として近くの郵便局に申し入れをしていましたが改善されておりません。
合成洗剤を勧誘の景品として配布することの問題点は以下にある通りです。貴社には安全性に問題のある全ての合成洗剤の配布は今後行わないよう申し入れるとともに、今回の申入れについての貴社の対応を10月30日までに文書にていただきたくお願い申し上げます。
記
1.合成洗剤は分解性が悪く、水質汚濁の原因になっています。
2.国のPRTR法(環境汚染物質排出・移動登録)で合成洗剤の成分9種が第一種指定物質として指定され、合成洗剤のほとんどの成分が指定されています。一番新しいデータ(2013年)では、37,690tが環境に排出され、ゆうちょ銀行が主に配布している台所用合成洗剤だけでも3,225t、洗濯用・住宅用では27,313t排出されています。国が環境汚染物質として指定している合成洗剤の配布はやめるべきです。
3.現在、様々な化学物質が原因で化学物質過敏症で苦しむ人がいます。全国で100万人とも言われている患者さんたちが苦しむ原因の一つに合成洗剤があげられています。
4.合成洗剤は皮膚の皮脂膜を通して体内に浸透していき、アトピー性皮膚炎、喘息、主婦湿疹などの原因になります。
以上