日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも人のいのちや健康を優先する世の中に変えたいと活動しています。

【要請書】築地市場の豊洲新市場移転の即時中止を求めます

2016日消連第16号
2017年1月17日

 

東京都知事 小池百合子様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興

要請書「築地市場の豊洲新市場移転の即時中止を求めます」

 私たちは1969年より「すこやかないのちを未来につなぐ」を理念に掲げ活動している消費者団体です。

 築地市場の豊洲新市場移転には、食の安全が守られないことなどを理由に、2006年から反対し続けており、貴職には昨年11月に豊洲市場移転を中止するよう求めています。このたび1月14日に発表された豊洲市場での地下水調査結果を受け、改めて豊洲市場移転の即刻中止を要請します。

 今回の調査では環境基準の79倍のベンゼン、環境基準の3.8倍のヒ素が検出されました。さらに、過去の調査で地下水からは検出されたことがなかったシアンも確認されています。改めて言うまでもなく、ベンゼンは発がん物質であり、シアンもヒ素も有害物質です。シアンなどは、人の健康の保護に関する環境基準において「検出されないこと」が基準となっています。いずれの有害物質も青果や鮮魚などの食べものを扱う市場にはあってはならないものです。地下水からの検出なので問題ないとは決して言えません。

 私たちは、食の安全に関する問題については、予防原則の立場をとるべきと考えます。昨年8月の都知事就任直後に貴職が豊洲市場への移転を「いったん立ち止まって考える」と述べ、移転延期を決定したのは、まさに予防原則に基づいた賢明な判断です。ただ、移転を延期するだけでは不十分です。豊洲市場が有害物質で汚染されていることは明白で、そのような場所で生鮮食品を扱うなど許されることではありません。都民の、そして全国の消費者の食の安全を守るために、豊洲市場への移転を一刻も早く中止するよう強く求めます。

以上