原子力規制委員会の福島第一原発汚染水の海洋放出認可に抗議する緊急声明
2022年7月22日、原子力規制委員会は、東京電力から申請された「福島第一原発事故で発生した汚染水(ALPS処理水)の海洋放出計画」を認可しました。
日本消費者連盟は、2021年4月12日に「福島第一原発汚染水の海洋放出に抗議し、撤回を求める緊急声明」を、2021年12月27日に「東京電力の福島第一原発汚染水の海洋放出審査申請に抗議する緊急声明」を公表し、政府・経済産業省等および東京電力に海洋放出の方針をすみやかに撤回することを強く求めてきましたが、これらを一顧だにせず、今般さらに原子力規制委員会によるこのような暴挙がなされたことに強く抗議します。
本件に関するパブリック・コメントには約1200件の意見応募がありましたが、原子力規制委員会は、たとえば海底土等に放射性物質が年々蓄積される問題や放出される放射性物質の総量が不明確である問題等々の具体的指摘に対して、従前の形式的な主張を繰り返すだけのおざなりな回答に終始しています。その姿勢は、多種多様な反対意見に真摯に対応することなく蔑ろにするもので、同時に改正行政手続法により実現した当該制度の形骸化をより助長するものです。
本来、福島第一原発事故で発生した汚染水は、東京電力および政府において厳重に管理し、周囲の環境を害さないように処置すべきものです。福島県漁連は海洋放出反対を決議していますが、漁業者団体等の理解が得られていない現状で海洋放出に突き進むことは言語道断です。ここに、政府・経済産業省および東京電力は海洋放出の方針をすみやかに撤回することを再度強く求めます。
2022年7月29日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟