日本消費者連盟
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野田首相の大飯原子力発電所の再稼働決定の撤回を強く求めます

野田佳彦首相は6月8日、首相官邸で記者会見し、関西電力大飯原発3、4号機について「国民生活を守るために再起動すべきだというのが私の判断だ」と述べ、運転再開の必要性を訴えました。これを受け、福井県の西川一誠知事は来週にも再稼働に同意する見通しです。首相は、知事の同意が得られ次第、速やかに関係閣僚会合を開き、再稼働を最終決定する考えです。

日本消費者連盟では野田首相に対して抗議文を送付しました。


2012年6月8日
日消連第11号

内閣総理大臣
野田 佳彦 様

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
古賀真子
真下俊樹
山浦康明

大飯原発の再稼働の決定に強く抗議します

貴殿は、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働をめぐって、「原発は日本経済にとって重要だ。最終的には私が判断する」と、近々に再稼働にゴーサインを出すと宣言をしていましたが、2012年6月8日、午後6時に再稼働について決定した旨の記者会見を行いました。記者会見では、大飯原発では福島のような電源喪失によるメルトダウンは起きないこと、夏場の電力危機を前に、値上げや国民生活への悪影響を避けるためには再稼働をしなければ日本経済そのものが立ち行かなくなることなどを理由に、大飯原発に限らず全ての原発の再稼働についても言及しました。

しかし、関西電力そのものは、この間、関西電力自身が「再稼働なくても停電しないようにする」と説明(5月15日大阪府市エネルギー戦略会議)していました。この夏、本当に電力が足りなくなるのか、徹底的に解明すべきあり、電力が本当に足りないのかの検証はされていません。

昨年の東日本大震災により東京電力福島第一原子力発電所が取り返しのつかない大きな事故を起こし、日本国民は放射能による被害がいかに甚大かを目の当たりにすることとなりました。日本全国で、再処理工場の前提となる原子力発電所そのものから速やかに脱却し、日本のエネルギー政策を大きく転換すべきと考えている中での宣言は国民の意識からかけ離れたものです。周辺自治体の市民も安全対策が不十分であると大きな不安を持っています。

福島第一原発の事故の検証もなされておらず、大飯原発の十分な安全対策もなされていない中での再稼働は行うべきではありません。

原子力発電そのものに多くの国民が反対しています。この機会にエネルギー政策や生活のあり方を大きく転換すべきです。大飯原子力発電所の再稼働決定の撤回を強く求めます。

以上

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