日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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川内原発再稼働に抗議します

2015年8月11日に九州電力が川内原発第1号機を再稼働したことに対し、日消連は同月13日、九州電力と内閣総理大臣および経済産業大臣に抗議文を送りました。

015日消連第8号
2015年8月13日

内閣総理大臣 安倍晋三様
経済産業大臣 宮沢洋一様

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 安達由起
共同代表 大野和興
共同代表 田坂興亜

川内原発1号炉の再稼働に抗議し、新・エネルギー基本計画の撤回を求めます

 2015年8月11日、九州電力は、反対多数の世論(反対57%、賛成30%。8月8~9日に毎日新聞が実施した全国世論調査)の中で、川内原発1号炉の再稼働を強行しました。

 首相は、川内原発の再稼働を前に長崎市における記者会見で、「原発は何よりも安全を最優先させる、世界で最もきびしいレベルの新規制基準に適合すると認められない限り、最稼働しない。国民の一層の理解が得られるよう取り組んでいく」と述べたと、報道されています。首相は、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、原子力の「規制基準」に則る「適合性審査」は「安全審査」ではない、原子力規制委員会は、規制基準への適合性を審査したのであって安全とは申し上げていない、と再三言い放っているのをご存じないのですか。事故があった時、誰が責任をとるのですか。

 原発は、たとえ安全に運転し続けられたとしても、放射能を環境に放出し、猛毒の死の灰とプルトニウムを生み出します。それらの処分・管理については、結局、未来の社会に押しつけることになります。本来、原発は、この地球上のどこにも建ててはならない代物ですが、とりわけ地震列島日本には、決して建ててはなりません。

 川内原発の周辺には、「カルデラ」と呼ばれる広範な火山地帯があり、カルデラが巨大噴火すれば数百度に及ぶ火災流は、川内原発の立地点までに達する可能性があります。加えて再度の巨大噴火により、川内原発は壊滅、火山灰と共に高レベル放射性廃棄物、つまり死の灰が日本中に放出される怖れがあると、学者・専門家は指摘しています。

 再稼働の容認は、原発立地点はもとより、多くの人々のいのちや環境を脅かす暴挙です。

 周辺住民の方たちの避難計画も机上の空論で、いざという時には、決して役にたたないものしか示されていません。受け入れ先の整備も、きちんとされておらず、自然災害と原発事故が同持に起こり得ることが、全く配慮されていません。

 今、政府のなすべきことは、再稼働の推進ではなく、福島第一原発事故の完膚なき収束であり、被災者の方たちへの生活の保障ではありませんか。

 政府におかれましては、原発を重要な「ベースロード電源」と位置づけた新たなエネルギー基本計画を撤回し、再稼働を止めさせ、原子力発電に頼らないエネルギー政策の実現に向けて、力を注がれますよう、強く求めます。

以上

2015日消連第9号
2015年8月13日

九州電力株式会社
代表取締役社長 瓜生道明様

特定非営利活動法人 日本消費者連盟
共同代表 安達由起
共同代表 大野和興
共同代表 田坂興亜

川内原発1号炉の再稼働強行に抗議し、その断念を強く求めます

 2015年8月11日、御社が反対多数の世論(反対57%、賛成30%。8月8~9日に毎日新聞が実施した全国世論調査)の中で、川内原発1号炉の再稼働を強行されたことに強く抗議します。安倍首相は、川内原発の再稼働を前に長崎市における記者会見で、「原発は何よりも安全を最優先させる、世界で最もきびしいレベルの新規制基準に適合すると認められない限り、最稼働しない。国民の一層の理解が得られるよう取り組んでいく」と述べたと、報道されています。しかし、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、原子力の「規制基準」に則る「適合性審査」は「安全審査」ではない、原子力規制委員会は、規制基準への適合性を審査したのであって安全とは申し上げていないと、再三発言、8月5日の記者会見でも、「(基準を満たしても)絶対安全とはいえない」と繰り返した上、一定の責任は認めつつも、責任は「しゃくし定規に言えば、事業者」と言明しました。

 事業者である御社や電気事業連合会では、いずれも「一義的な責任を負う」としながら、その範囲については曖昧で、行政の責任について、電事連担当者は「私たちが申し上げる立場ではない」との発言であったと報道されています。将に無責任体制です。

 原発は、たとえ安全に運転し続けられたとしても、放射能を環境に放出し、猛毒の死の灰とプルトニウムを生み出します。それらの処分・管理については、結局、未来の社会に押しつけることになります。本来、原発は、この地球上のどこにも建ててはならない代物ですが、とりわけ地震列島日本には、決して建ててはなりません。

 川内原発の周辺には、「カルデラ」と呼ばれる広範な火山地帯があり、カルデラが巨大噴火すれば数百度に及ぶ火災流は、川内原発の立地点までに達する可能性があります。加えて再度の巨大噴火により、川内原発は壊滅、火山灰と共に高レベル放射性廃棄物、つまり死の灰が日本中に放出される怖れがあると、学者・専門家は指摘しています。

 再稼働の容認は、原発立地点はもとより、多くの人々のいのちや環境を脅かす暴挙です。

 周辺住民の方たちの避難計画も机上の空論で、いざという時に、決して役に立たないものしか示されていません。受け入れ先の整備も、きちんとされておらず、自然災害と原発事故が同持に起こり得ることについては、全く配慮されていません。

原発の稼働は、今生きている人々には、その危険性を、未来の世代に向けては、処理しようのない死の灰を押しつけ、プルトニウムを抱える社会を存続させることになります。

私たちは御社に対し、地産地消のエネルギーの創出に力を注ぎ、脱原発への道筋を清々と固めていくという経営方針に転換されますことを強く求めます。

以上

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