日本消費者連盟
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【パブリックコメント】環境ホルモンの飼料添加に反対–ゼラノールに係る食品健康影響評価案について意見提出

日本消費者連盟は、環境ホルモンの疑いのあるゼラノールの食品健康影響評価案に対して、環境ホルモンとしての評価、成長促進目的での薬剤投与についての議論、アニマルウェルフェアの面での問題点などについて意見書(パブリックコメント)を提出しました。


食品安全委員会御中

ゼラノールに係る食品健康影響評価案についての意見

私たちは、安全安心な食品を求める消費者の立場から、貴委員会の評価、ホルモン剤の使用に疑義があるので、以下の意見を申し述べます。

1.内分泌撹乱性の毒性学的な意味と試験方法について十分な知見があるといえません。内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の疑いのあるゼラノールについて、内分泌撹乱性の評価をしないで「ホルモン作用」として評価してしまうのは、不適切と考えます。特に合成型ホルモンの使用については慎重に対応すべきです。内分泌撹乱性の評価ができるようになるまで、ゼラノールの評価は延期すべきと考えます。

2.報告書Ⅱ.6.(1)において、低用量(0.0225mg/kg体重/日)で出たマウスの生殖器の異常が中用量で出なかった試験結果について用量依存性がない等としていますが、逆U字型反応を疑って検証すべきと考えます。この低用量をLOAELとして評価すれば、ADIは設定したとしても、ずっと低い値になるはずです。

3.ゼラノールの諮問は国際平準化による解禁を意図したものと考えますが、成長促進目的で家畜にホルモン剤や抗菌剤を投与することの是非について、米国やEUの専門家を招いてシンポジウムを開催する等を含め、慎重な議論を重ねるべきです。そうした議論なしに個別の薬剤を許可することは、国内農畜産業の安全性・信頼性に大きな打撃を与えるものと考えます。

4.家畜にホルモン剤等を投与して成長を促進することは、アニマルウェルフェアの考え方にも反するものです。貴委員会がアニマルウェルフェアについて対象としないのであれば、別途に議論する場の設置を求めます。

以上

(パブリックコメント募集)
ゼラノールに係る食品健康影響評価に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集について
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095200920
締切日2020年11月05日