日本消費者連盟
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【緊急声明】福島第一原発汚染水の海洋放出に抗議し、撤回を求める緊急声明

菅政権は2021年4月13日にも、福島第一原発で発生し、タンクに貯蔵している汚染水(ALPS処理水)について、海洋放出を関係閣僚会議で決定する方針だと報じられています。

2020年2月、経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)」は、水蒸気放出および海洋放出が現実的な選択肢であり、海洋放出がより実施しやすいとの報告書を公表しました。

経済産業省はそれ以降7回にわたり地元自治体や農林水産業者などの関係者から意見聴取しましたが、福島県漁業協同組合連合会、福島県森林組合連合会、福島県農業協同組合中央会および福島県水産加工連合会などからは明確な反対が表明されました。また、福島県内の各市町村議会では、2020年9月議会の時点で、すでに海洋放出に反対の決議が25市町村、慎重に議論すべきとの決議が16市町村でなされ、福島県の実に7割の市町村が海洋放出に同意していません。

タンクに貯蔵された汚染水については、トリチウム以外は除去されたことになっていますが、実際には約7割の汚染水に、基準値を超えたセシウム、ストロンチウム、ヨウ素などの放射性物質が残っています。こうした状態で海洋放出すれば、たとえ希釈したとしても、海洋放出されたトリチウム等の汚染水が均一に薄められる保証はなく、放射性物質は食物連鎖などの生態系を通して濃縮されるので、安全性が担保されないことは明らかです。

東京電力や経済産業省などは、汚染水を保管するタンクの設置場所がもうないと主張していますが、実際には敷地の北側にスペースを確保することが可能です。また、海洋放出の代替案として「大型タンクによる長期保管案」や「モルタル固化処分案」などの提案がなされていますが、これらについては十分な検討がなされていません。

以上のことから、菅政権の福島第一原発汚染水の海洋放出に向けた動きは、地元福島県はじめ各地・各層の反対・懸念の表明を全く顧みない暴挙であって、これに強く抗議し、この方針をすみやかに撤回することを求めます。

2021年4月12日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟