『消費者リポート』3月号で日消連も参加している「コメと野菜でつながる百姓と市民の会」を紹介したところ、たくさんの方からカンパを送っていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。この活動は、リポートでも書きましたように、コロナ禍で貧困に陥り、食べることに事欠く人たちが都市部に増えている状況に対し、コメや野菜をつくっている農民がモノを出し、その送料を町に住む有志が出そうということで、昨年春から取り組まれているものです。
この活動に取り組む中で、さまざまなことが見えてきました。それは、これまで普通にはわからなかったこの国の貧困の実相です。職を追われることで住む場所を失い、食べることさえできなくなる社会に、私たちはそれとは知らず生きている現実が、突きつけられました。都市だけでなく農村部でも、表れ方は違っても貧困が進んでいます。米価をはじめとする農産物価格は長期低落傾向に入り、地域経済の疲弊は地域社会の崩壊を招いています。
この事実は、日消連に活動のあり方にも示唆を与えています。「貧困と飢餓」は写し鏡なのだということです。まちの貧困とむらの貧困を包括的に捉えたことで、見えなかったことが見えてきます。平和、人権、民主主義という古いテーマが、新しく獲得しなければならない課題として蘇っています。
(大野和興)