日本消費者連盟
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【声明】生物多様性を破壊するゲノム編集トマトの苗の配布に抗議し、 日本政府に対し、ゲノム編集生物の厳しい規制を求めます(2021年5月22日)

 

声明文

生物多様性を破壊するゲノム編集トマトの苗の配布に抗議し、
日本政府に対し、ゲノム編集生物の厳しい規制を求めます

 

 5月22日は国連が制定した「国際生物多様性の日」です。本来ならば、自然の豊かさを祝う日であるにもかかわらず、日本ではこの5月にゲノム編集トマトの苗の無償配布が始まり、生物多様性が脅威にさらされることになりました。加えて、ゲノム編集されたイネやジャガイモの試験栽培が行われており、新たに肉厚魚の承認に向けた動きまであります。とても残念なことですが、2021年の生物多様性の日は、日本がこの新たな遺伝子操作の研究、開発、実用化の先頭に立ち、生物多様性を破壊しようとしていることに、抗議する日になりました。

 ゲノム編集は、従来の遺伝子組み換えに比べ、はるかにスケールアップした遺伝子操作です。より厳しい規制が必要であるにもかかわらず、日本政府は、生物多様性影響評価を不要とし、食品の安全性評価も食品表示も行わないなど、規制を一切しないことを決めました。これは地球上の生物、そして未来に対する裏切り行為といえます。

 遺伝子操作の脅威は、改変された遺伝子が世代を越えて受け継がれる危険性があることに加えて、生態系に拡散してコントロールが効かなくなることです。一度改変すると自然界にどのような影響が及ぶのか、現在の知識のレベルでは予測がつきません。

 日本政府の責任は重大です。私たちは、ゲノム編集トマトの苗の配布に抗議するとともに、日本政府に対してゲノム編集生物の規制を求めます。そして、これからも、生物多様性を守り、地球の未来を守るために闘います。

 

2021年5月22日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟