若い頃、政治家が何を言って何をしたのかどうでも良かった。学校の授業で習ったはずの「社会科」は、何1つ記憶にない。だから過去の歴史に学ぶなんてこともなかった。
一転したのは、子どもが生まれてから。家族を守るということは、政治を知らなくてはいけないことにやっと気づいた。
海外の「予防原則」を知ったとき、「1人くらい具合が悪くなったって良い」という考え方の日本にあきれ、アスベストが学校にたくさん使われていたことを知ったとき憤り、福島の原発事故で絶望した。事故直前に、市民運動出身の当時の菅直人首相が「これからは原発が大事」と笑顔で話していた映像を思い出す。
地元の札幌水俣展で、女性が手足をばたつかせながら「天皇陛下万歳」と繰り返す映像に茫然とした。野田正彰氏の『戦争と罪責』を読んで、我が子の卒業式には立たない、君が代は歌わないと決めたが、子どもたちに日の丸に向って礼をするよう教えた先生たちの気持ちはどんなだったのだろう。
国は私たち国民を守らない。若いママパパへ。国のやることを「ホントにいいの?」と調べたり、声をあげたりしてほしい。「いまさら」「仕方ない」と言っていたら、未来は奪われたままになる。
(神聡子)