日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【意見書】「食料・農業政策」に関する意見書(2025年5月29日)

 

2025年5月29日

各政党党首(送付先は下記に掲載)

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 亀山亜土
共同代表 佐々木ミヨ子
共同代表 原英二共同代表 マーティン・フリッド

 

「食料・農業政策」に関する要請と意見交換のお願い

日頃からの国政に対する取り組みに敬意を表します。また、私ども日本消費者連盟の活動に対するご理解・ご協力に感謝も申し上げます。

毎年のように続く異常気象、国際的な紛争拡大、不安定な農業生産などにより、世界的に食料需給はかつてなく不安定さを増しています。一方、国内農業は、円安の影響も受け、輸入に依存する肥料や飼料価格が高止まりし、経営が成り立たず、離農や耕作放棄が相次ぎ、生産基盤崩壊の危機が迫っています。

特に米については、昨年夏に米不足が発生し、今や米の価格は昨年の2倍以上に高騰しています。これらは、これまで価格を市場原理にまかせて農業生産や食料の安定をないがしろにしてきた結果だと考えます。

私たちは、これまでの安価や効率化を優先するような政策のあり方を問い直し、全ての人が安心・安定して食を得ることが出来るよう求めていく必要があると考えます。これらは、今夏の参議院選挙でも大きな争点になると思われます。

つきましては、別紙の課題につき、貴党の政策責任者・担当者に要請するとともに、貴党の見解をお聞きし、意見交換をさせていただきたくお願い申し上げます。

まことに勝手ながら、下記の日程でご都合がつきましたら、当方の担当者までご連絡をお願いいたします。

(日程などは省略)

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「食料・農業政策」に関する意見書

 特定非営利活動法人日本消費者連盟

1.食料自給率(カロリーベース)については、2030年までに45%の達成を図り、さらに50%に向けた具体策が必要です。また、安定的な生産のために農家への「直接所得補償」などの施策も重要です。自給率向上に向けてどのような政策が必要か示してください。

2.農業の「担い手」を多様化して、地域の状況に即した小規模家族経営や兼業農家、自給農家なども組み入れ、「担い手」農家の裾野を広げるべきだと考えます。また、「半農半X」、「市民農園」、援農など、都市住民も含めて誰でも農業に関わることができるよう体制の整備も重要だと考えます。担い手についてどのような政策が必要か示してください。

3.地産地消を推進するため、特に学校給食においては、基本的にすべての食材を国産とし、うち地場産は全国平均で7割以上(現在約60%)を目標にするべきと考えます。地産地消推進のためにどのような政策が必要か示してください。

4.有機農業を推進するため、オーガニック・ビレッジ宣言の自治体の拡大、学校給食での有機農産物の活用、さらに、都市部の自治体がオーガニック・ビレッジ宣言をした自治体と提携して有機食品の学校給食等への供給増大などが必要と考えます。有機農業推進のためにどのような政策が必要か示してください。

5.生物多様性や環境保全対策を重視し、特に、農薬や農業資材用プラスチック使用など、農業生産の環境への負の側面を数値化して削減目標が必要です。また、下水汚泥の肥料利用による汚染や、水田のメタンガス対策による中干し延長で生物多様性を損なう問題、有機フッ素化合物(PFAS)の農地の汚染への対策も重要と考えます。環境対策のためにどのような政策が必要か示してください。

6.遺伝子組み換え技術やゲノム編集技術、重イオンビーム利用の放射線育種技術など、自然の摂理の範囲を逸脱した遺伝子を改変する技術や、生命のない食べものの生産・販売を規制するべきと考えます。こうした技術利用についてどのような政策が必要か示してください。

以上

<送付先>
自由民主党
立憲民主党
公明党
日本維新の会
日本共産党
国民民主党
社会民主党
れいわ新選組
NHK党
参政党
日本保守党