2017年12月28日
2017日消連第38号
東京都知事 小池百合子様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 天笠啓祐
共同代表 大野和興
豊洲移転決定の即時撤回と築地市場の再整備を求めます
東京都が12月25日に発表した豊洲市場予定地の9~11月の地下水調査結果で、環境基準の160倍にあたるベンゼンや、不検出が環境基準となっているシアンなどが検出されました。食の安全を第一に考える消費者として、強い懸念を表明するとともに、貴職が同20日に発表した「2018年10月11日の豊洲移転」の決定を今すぐ撤回するよう求めます。
今回、深刻な地下水汚染の実態が改めて浮き彫りになったにもかかわらず、都は「地上部は安全」という従来の主張を繰り返しています。しかし、土壌汚染対策だった盛り土も行われていない状況で、地下水と地上を別物と考えるのは無理があります。先日より豊洲市場予定地の一部で始まった追加の土壌汚染対策も、どの程度の効果があるか検証されないまま行われています。間に合わせ、一時しのぎと言っても過言ではありません。豊洲市場予定地には有害な汚染物質が残存しています。そのような場所に生鮮食品を扱う市場を移転させることは消費者として容認できません。
改めて申し上げます。私たち消費者は築地市場の豊洲移転に反対です。食の安全・安心が担保できない豊洲新市場予定地に食べものを扱う市場を移転させることはやめてください。食の安全・安心を守るために、豊洲移転決定を即時撤回し、築地市場の再整備に一刻も早く着手することを求めます。
以上