「新型コロナとどう向き合うべきか」
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっています。日消連の活動も延期、中止を余儀なくされています。感染リスクや収入減で不安を抱えておられる方も多いでしょう。私たちはこんな時だからこそ、誰ものいのちや健康が守られる社会を維持し、 社会機能を回復し、ここから教訓を得て、ウイルスを含めた環境と調和する社会を目指さなければいけないと思います。
日本はたまたま、これまでSARS(サ ーズ:重症急性呼吸器症候群) やMERS(マ ーズ:中東呼吸器症候群)やエボラ出血熱など世界を揺るがせた感染症の対応を迫られることはありませんでした。「人類は感染症を克服した」 という誤った認識のもと、 感染症研究や公衆衛生部門の予算が削られてきました。しかし、地球環境が悪化し、グローバリゼーションが進む中で、従来の規模では考えらない感染症の拡大を迎えることになりました。
政府は、「新型コロナに打ち克ち、勝利した人類として五輪を迎えたい」と言っています。しかし、 人類はウイルスに 「勝つ」 ことができるのでしょうか。1年後に栄冠を手にしたはずの人類が、 また別の 「敵」 に翻弄されることを繰り返す可能性があります。いま過剰な消毒や新薬の開発に邁進する先に、生じる副作用による健康被害が懸念されます。また、それを口にすることをはばかられる社会の風潮を危惧します。
打ち克ち撲滅するという発想ではなく、 ウイルスが凶暴化しないように、 人間も地球環境や生態系をこれ以上崩さないことが求められています。並行して人間の医療、 保健、 住宅、 食料などいのちに関わる産業を、利益第一の市場競争から、人々が協調して生きる社会に取り戻すべき転換の時だと思います。この非常時を乗り越え、その後も生き延びるために確認したいことです。 日々、感染症の最前線で働く人々の声とともに、日消連がこれまで主張してきたことをさらに広く人々や企業、政府に訴えていきます。
本誌編集委員会
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今号は、予定を変えて新型コロナウイルス関連の特集としました。次号以降も新型コロナがもたらした影響について考え、今後の運動につなげられる特集にします。皆さんが今、感じていること、考えていること、または周囲で起きていること、伝えたいこと、困っている人がいないかなど、ご連絡ください。またコロナ禍の暮らしで、これまでの取り組みに確信を持ったこと、仲間と力を合わせたり工夫したりしていること、閉塞感がある中でも前向きになれる話題もお待ちしています。投稿はいつでもお待ちしていますが、6 月号制作に向けては、5 月29 日締切でお願いします。
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