日本消費者連盟 | すこやかないのちを未来へ

【編集委員ブログ】消費者庁は業界庁?(2017年11月27日)

 

消費者庁が今年4月に立ち上げた「遺伝子組換え表示制度に関する検討会」に批判が高まっています。遺伝子組み換え作物を原材料に使っているのに表示しなくてもよい現行制度をそのまま継続する方向で議論が進行しているからです。

 

現在、組み換えられたDNAが検出できない油などは表示の対象外です。5%までなら遺伝子組み換え原料が入っていても表示する必要はありません。そのため、ほとんどの加工食品が表示を逃れています。日本消費者連盟は、安全性が証明されているとは言えない遺伝子組み換え食品を避けることができない現状に異を唱え、消費者の知る権利・選ぶ権利を保障する制度にするよう求めてきました(消費者リポート2017年9月号)。

 

EUは油なども含めすべての食品を遺伝子組み換え表示の対象にしています。日本が5%に定める意図せざる混入許容率も、EUは0.9%、韓国や台湾は3%です。検討会はこれら諸外国の表示制度をきちんと検証していませんし、深い議論も行っていません。

 

それどころか、事業者側に立つ委員の「今以上の表示はできない」という主張が幅を利かせています。遺伝子組換え表示制度導入から15年目にして初の検討会がなぜこんなにお粗末なのか。原因は消費者庁にあります。より良い制度にしようという熱意がないのです。消費者の権利を蔑にし、事業者の要求を全面的に受け入れようとする消費者庁に対し、「業界庁」と改名すべきではとの声も聞かれます。

 

(纐纈美千世)