日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
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【声明】ロシアのウクライナ侵攻に抗議する(2022年2月28日) 

2021日消連第12号

2022年2月28日

特定非営利活動法人 日本消費者連盟

共同代表 大野 和興

共同代表 纐纈美千世

消費者・生活者9条の会

 

ロシアのウクライナ侵攻に抗議する声明

世界の人々が“穏やかに安心して生きる”ために

 

今の今まで存在した日常が一瞬にして崩れ、心も身体も人と人をつなぐきずなも断ち切れてしまうさまを、私たちは目の前にしています。戦争とはこういうものなのです。日本消費者連盟は、一方的にウクライナを侵略しているロシアに対して、「直ちに兵を引き、侵攻前の状況に戻す」ことを強く要求しています。同時に、かかる侵略行為はロシア自身を含め悲惨な結果しか生まないことをプーチン大統領に忠告しなければならないと考えています。

 

ロシアがウクライナに侵攻するニュースに接した日本の市民は強烈なデジャブに襲われました。世界恐慌の真っただ中の1932年、日本国家は中国東北部に傀儡国家満州国をつくりあげました。日本の中国侵略が始まったのです。侵略戦争は中国全土からアジア全域に拡大し、1941年には真珠湾攻撃によってアジア太平洋全域に戦争を拡げ、1945年の敗戦までに2000万人のアジアの人々の命を奪いました。

 

アジアの人々の命を引き換えに、私たち日本の市民は平和憲法を獲得しました。私たちの憲法は、戦争をしない、国の外に軍隊を出さない、軍事行動をしないことを明記しています。

 

しかし現実には、いまこの国では「中国脅威論」をことさら煽りたて、人権や自由、市民生活を為政者の思惑によって制限する緊急事態条項を憲法に盛り込もうとする改憲論が拡がり、その論議が国会の場で始まろうとしています。それと並行して、岸田内閣は国の外で自衛隊が戦闘することを可能にする敵基地攻撃を掲げて、そのための軍備拡充に乗り出しています。

 

ウクライナ侵攻にあたり、ロシアの軍隊はロシア系住民の命を守ると称して大量のミサイルをウクライナの軍事施設に打ち込みました。これはいま日本政府が進めている敵基地攻撃にほかなりません。日本国家は今、プーチン大統領のロシアにもなれる道を歩んでいるのです。

 

いま世界では、ロシアのウクライナ侵略に抗議する行動が各地で繰り広げられています。ニューヨークで、パリで、ロンドンで、ベルリンで、東京で、そして強権下にあるモスクワやレニングラードで「No War」の声が響いています。私たちは、他国を侵略しないという私たちの憲法を身の内に抱きしめて、世界の市民の「No War」に連帯したいと考えています。「私たち」の中には日本国家がかつて道ずれにした2000万人のアジアの人々も含まれます。

 

ロシアのウクライナに対する今回の暴挙を許すことは、いずれ私たちが誇る憲法の平和主義、人権、自由、言い換えれば、“穏やかに安心して生きる”権利を脅かすものに転化して市民にふりかかってくるはずです。私たちは、今回のウクライナに起こっている事態を、自身の事として捉え、発言し行動しなければならないと決意しています。

 

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