日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【報告】シンポジウム「#武力より対話 アジアの平和を求めて市民がつながろう」を開催しました(2025年8月8日)

 

日本消費者連盟と主婦連合会は8月8日、主婦会館プラザエフでシンポジウム「アジアの平和を求めて市民がつながろう」を開催しました。これは、日消連と主婦連がアジアの平和の実現を目指して取り組む「武力より対話プロジェクト」の一環として企画したものです。日消連はこれまで、2023年に韓国・台湾の市民運動家を招いたシンポジウムを開催したほか、24年には日消連、主婦連、韓国のドゥレ消費者生活協同組合連合会で「アジア平和共同声明」を発表しました。この声明は現在までに国内外30団体の賛同を得ています。

今回のシンポジウムは、国際ジャーナリストの伊藤千尋さんに講演をいただくとともに、各地で平和活動を展開する6名の方々に取り組みを紹介してもらいました。会場・オンライン合計で約100名が参加しました。

 

●世界を変える「ピープルパワー」

元朝日新聞の特派員で、中南米、欧州、米国など84カ国を取材してきた伊藤さんは、「ピープルパワーが社会を変える」と題して講演。「ピープルパワー」という言葉を生んだフィリピンの民主化運動や、原発を一度も使わないまま廃炉にさせた「非核フィリピン連合」の活躍にはじまり、韓国における朴槿恵(パククネ)大統領(当時)に対する100万人規模のデモ、気候変動に声を上げたグレタ・トゥーンベリさんの行動まで、世界の市民が社会に変化を起こした事例を紹介しました。

講演では、フィリピンにおける地熱発電の成功の背後には日本企業の技術があること、2008年の四川大地震では遺体に黙とうする日本の救助隊の姿が現地の人々の注目を集めたことなど、日本の市民が世界の人々と協働し、信頼関係を構築してきたエピソードも語られました。

 

●全国の市民が平和を求め軍拡に抗う

一方、武器取引反対ネットワーク【NAJAT】の杉原浩司さんは、豪州への艦艇輸出が決定したうえ、イスラエル製ドローンが輸入されようとしている現状に強い危機感を表明。「安保3文書によって莫大な税金が投下され、市民の訴えが通じなくなりつつある」として、より強力な「ピープルパワー」の必要性を語りました。

「幕張メッセでの武器見本市に反対する会」の谷口初枝さんは、DSEI(※)Japanへの抗議活動について報告。「平和を求め軍拡を許さない女たちの会・熊本」の海北由希子さんは、〝軍都〟熊本の軍拡の現状と反戦運動について伝えました。さらに、主婦連合会の加藤真代(まさよ)さん、コンシューマーズ京都の有地淑羽(よしは)さん、岩手県消費者団体連絡協議会の磯田朋子さんも、それぞれの地域の現状と取り組みを紹介しました。

シンポジウム終了後、日消連と主婦連は、日本の石破首相と韓国・台湾・中国・ASEAN10カ国の大使館などに「アジア平和共同声明」を送りました。引き続き、アジアの平和の実現に向けて「武力より対話プロジェクト」に取り組んでいきます。

※Defence and Security Equipment Internationalの略。防衛・安全保障総合展示会。

 

 

市民メディア放送局「UPLAN」さんに当日の模様をアップしていただきました。