10月1日に安倍首相が消費税増税を決定したことに対し、10月4日次の抗議声明を安倍首相に送りました。
内閣総理大臣 安倍晋三様
特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表運営委員
古賀真子、真下俊樹、山浦康明
抗議声明「消費税増税に反対します」
2014年4月1日から予定している消費税8%への引き上げ決定(2013年10月1日)と復興特別法人税の撤廃を撤回し、国民に「社会保障と税の一体改革」の中身を丁寧に説明してください。
日本消費者連盟は消費税導入時よりこれに反対してきました。消費税は逆進性が強く、不公平なものであり、当初から福祉の充実に充てるとした政府の消費税導入の理由付けもまやかしだったからです。今回も「税と社会保障の一体改革」とのうたい文句とは異なり、年金制度は改悪され、社会保障の充実とは名ばかりで、消費税増税の大義名分は完全に崩れ、むしろ、社会保障の全般的な切り下げがまかり通る中での消費税増税という不条理な現実になろうとしています。私たちは次の理由から、増税には反対するとともに、国民に対してこのような決定に至った判断根拠を提示することを求めます。
記
1.福祉の充実とは名ばかりで実際には国の財政の悪化のつけを国民に背負わせようとするものです。その値上げの効果をどのようにシュミレーションしているのでしょうか。97年に消費税が3%から5%に引き上げられた際には景気が悪化し、税収は逆に落ち込みました。来年以降税率を上げると、中小企業や消費者は今も景気回復は実感できない中で、景気は冷え込むでしょう。財政再建すらままならなくなります。
2.問題なのは従来から指摘されていることが全く改善されないままの不公平な税制が温存されていることです。欧米などで実施されている、日常の生活必需品を例外扱いする軽減税率も考慮されることはなく、政府は形ばかりの弱者対策でごまかそうとしています。これは、累進課税の原則を逸脱し、逆進性を広げるものです。
3.震災復興のために国民が負担している税金について、企業の法人税の枠(復興特別法人税)をなくそうとしています。このような不公平な扱いは許されません。
4.さらに今後法人税そのものの引き下げを行ない企業活動の天国を日本に作ろうとするのがアベノミクスです。経済の成長神話はリーマンショックを見るまでもなくすでに破綻しています。今回も景気の腰折れ対策として5兆円もの経済対策を打ち出して、公共事業などを大幅に増やそうとしていますが、財政規律は無きに等しいと言わざるを得ません。
5.日本の財政健全化対策は重要ですが、タックス・ヘイブンなどを許している税制、予算の無駄遣いの解消など、まずやるべきことがあります。
以上
連絡先:東京都新宿区西早稲田1-9-19-207 日本消費者連盟(山浦)
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