「子どもたちの食べものを守りたい」という母親たちが集まってつくったネットワークがあります。食べもの変えたいママプロジェクト、通称「食べママ」。きっかけは、昨年3月に来日したゼン・ハニーカットさんの「危険な食べものから子どもを守れるのは私たち母親よ!」の一言でした。ゼンさんは米国で「Moms Across America(全米のママたち)」という団体を立ち上げ、遺伝子組み換え食品反対運動の先頭に立っている3児の母親です。
食べママ作成のリーフレットを開くと、「大切なのは『子どもの都合』」とあります。成長過程にある子どもたちは体も脳もとても敏感。食べものはとても大切なものです。私たち母親は、そんな「子どもの都合」を最優先に食べものを選んでいるのでしょうか、と問いかけています。
このリーフレットを見ていて、最近「消費者リポート」の取材で訪ねた千葉県いすみ市の農家、矢澤喜久雄さんを思い出しました。昨年から学校給食のお米を全量有機米に切り替えた同市で、有機米生産の先頭に立っている矢澤さん。元々、有機農家ではありませんでしたが、地域活性化のため、有機米づくりに一歩を踏み出しました。苦労の末、2年目にして初めて収穫した有機米の行き先に選んだのが学校給食でした。流通に乗せてより高く売ることもできたのに、「子どもたちに安心安全なお米を食べてもらいたいと思った」と矢澤さん。まさに「子どもの都合」を優先させたのでした。
「食べママ」フェイスブック:https://www.facebook.com/momsacrossjapan/
(纐纈美千世)