日本消費者連盟
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【回答】BSEにかかわる飼料規制の緩和についての公開質問状への農水省の回答(2025年2月28日)

 

農林水産省が2024年秋に、これまで禁止してきた牛、めん羊、山羊の血粉や肉骨粉などを鶏や豚の飼料として用いることを認めたことを受け、日本消費者連盟は2月17日に同省に「BSEにかかわる飼料規制の緩和についての公開質問状」を送りました。2月28日付で同省から回答がありましたので掲載します。

●農水省の回答(PDF)

 

2025年2月28日

農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課

BSEにかかわる飼料規制の緩和についての公開質問状への回答について

1、もっとも懸念されるのは、これらの飼料が牛の飼料に意図しないで混入するケースです。これまでも豚や馬、鶏、魚の血粉、肉骨粉などが、豚、鶏、養魚用の飼料として使用が認められてきましたが、認められる範囲がさらに拡大することで、意図しない混入の機会は増え、徐々に完全に防ぐことが困難になってきています。その点についていかがお考えですか。
3、世界的にみると、少なくなったとはいえBSEの発生は続いています。牛の検査の範囲もごく一部にとどまり、それも徐々に狭まる傾向にあります。BSEが人間に感染した場合、確実に死に至ることを考えれば、予防原則を採用することは当然だと思います。このように規制を緩和するのではなく、規制を強化すべきだと考えますが、その点についていかがお考えですか。
(1及び3への回答)
農林水産省では、農業資材審議会や内閣府食品安全委員会による安全評価を受けた上で、BSEにかかわる飼料規制の見直しを行ってまいりました。
今回の飼料規制の見直しについても、農業資材審議会より、本見直しを行うことについて適当と認めるとの答申を受けるとともに、食品安全委員会より、人への健康影響は無視できるとの評価結果を踏まえて、牛肉骨粉等の豚、鶏用の飼料への利用を再開しております。

2、プリオン病がある野生の動物の種類は、ライオン、猫、チータ、ピューマ、オセロット、トラなど数多くあります。今回規制を緩和して可能になった、牛、めん羊、山羊の血粉や肉骨粉などが豚、鶏、養魚用の飼料として使用された場合、それが散逸する機会を増やし、野生生物に影響をもたらす可能性があります。その点についていかがお考えですか。
(2への回答)
農林水産省は、野生生物への影響を担当していないためお答えできません。

4、今回の規制緩和に次いで、さらに踏み込んで、牛用飼料に動物の血粉や肉骨粉を使用する可能性が出てきました。BSE問題の最も基本的な問題点は、草食動物の牛に肉骨粉を与えたことだと考えています。今後、意図せざる混入も含めて、牛に動物由来の飼料を与えないという保証はあるのでしょうか。その点についていかがお考えですか。
(4への回答)
BSE にかかわる飼料規制については、今後も、飼料の製造・使用段階における分別管理を徹底する等のリスク管理措置の実施に取り組むとともに、最新の科学的知見を収集し、必要に応じて規制の範囲を見直してまいります。

以上