日本消費者連盟
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【質問状】BSEにかかわる飼料規制の緩和についての公開質問状(2025年2月17日)

 

2024日消連第27号
2025年2月17日

農林水産大臣
江藤拓様

特定非営利活動法人日本消費者連盟
共同代表 亀山亜土
共同代表 佐々木ミヨ子
共同代表 原英二
共同代表 マーティン・フリッド

 

BSEにかかわる飼料規制の緩和についての公開質問状

農林水産省は、従来の牛海綿状脳症(BSE)で行っている飼料規制を徐々に緩和し、2024年10月に、これまで禁止してきた牛、めん羊、山羊の血粉や肉骨粉などを鶏や豚の飼料として用いることを認めました。すでに養魚用としては2015年4月に使用が始まっていますが、今回は大きく踏み込んだ規制解除といえます。そこで、以下の点について質問します。
ご回答は文書で3月4日までにお願いいたします。質問及びご回答は団体のホームページ等で公開します。

 

1、もっとも懸念されるのは、これらの飼料が牛の飼料に意図しないで混入するケースです。これまでも豚や馬、鶏、魚の血粉、肉骨粉などが、豚、鶏、養魚用の飼料として使用が認められてきましたが、認められる範囲がさらに拡大することで、意図しない混入の機会は増え、徐々に完全に防ぐことが困難になってきています。その点についていかがお考えですか。

2、プリオン病がある野生の動物の種類は、ライオン、猫、チータ、ピューマ、オセロット、トラなど数多くあります。今回規制を緩和して可能になった、牛、めん羊、山羊の血粉や肉骨粉などが豚、鶏、養魚用の飼料として使用された場合、それが散逸する機会を増やし、野生生物に影響をもたらす可能性があります。その点についていかがお考えですか。

3、世界的にみると、少なくなったとはいえBSEの発生は続いています。牛の検査の範囲もごく一部にとどまり、それも徐々に狭まる傾向にあります。BSEが人間に感染した場合、確実に死に至ることを考えれば、予防原則を採用することは当然だと思います。このように規制を緩和するのではなく、規制を強化すべきだと考えますが、その点についていかがお考えですか。

4、今回の規制緩和に次いで、さらに踏み込んで、牛用飼料に動物の血粉や肉骨粉を使用する可能性が出てきました。BSE問題の最も基本的な問題点は、草食動物の牛に肉骨粉を与えたことだと考えています。今後、意図せざる混入も含めて、牛に動物由来の飼料を与えないという保証はあるのでしょうか。その点についていかがお考えですか。

以上