日本消費者連盟
すこやかないのちを未来へ
企業や国家の利益よりも、人のいのちや健康を優先する世の中にしたいと活動しています。

【運営委員ブログ】どうすれば話が伝わる?(2025年11月21日)

 

何十年か前、職場の知人から初めてスキーの手ほどきを受けました。指導員の資格を持っていた知人は、教え方が上手で、1時間でリフトに乗れました。「滑る時に体をどう使うか、その人によって通じる言い回しが違うんだ。だから、いろんな言い方を使い分けて試してみるんだよ。『前傾する』『膝を前に出す』『脛を靴に押し付ける』とか」。へぇ、なるほど、と思い、今でも覚えているくらい、この話は印象に残りました。

日々の生活でも活動でも、人に何かを伝えたい時には、このことを意識します。背景も知識も理解力も異なる人に対して、今、どういう言い回しがふさわしいのかを考えながら、話をするように心掛けています。

香害を説明する際に、香料など柔軟剤由来の有害な化学物質が衣類から周囲に揮発していることを「受動喫煙」に例えたら、瞬時に通じたことがありました。「柔軟剤を使った服を着ている人は、『くわえ煙草のチェーンスモーカー』みたいなものなのですね」と、先方が応じてくれたのには感動しました。
相手の受け入れタイミングを計りつつ、試行錯誤を続け、諦めずに大事な話を伝えていきたいものです。

(深谷桂子)