高GABAトマトに続き、遺伝子の一部を人工的に操作した「ゲノム編集食品」の2つめの届け出が厚生労働省に出されました。筋肉の発達を抑えるミオスタチン遺伝子を壊すことによって、短期間で筋肉量が多くなるよう改良されたマダイです。
すでに様々な影響と懸念が指摘されていますが、ゲノム編集食品には安全性評価も環境影響評価も表示もありません。商業生産によって、実験レベルとは桁違いの量の生物が操作され、放出されていくことになります。深刻な影響が生じる可能性は、高くなることはあっても低くなることはありません。
生物学者で2002年にノーベル生理学・医学賞を受賞したシドニー・ブレナー氏はこう言います。「現代の科学知識をもってしても、実験結果をコントロールなどできない生物学者たちに、さまざまな実験を試させるのなら、私たちが最悪の事態を恐れることもまた正当と言えるだろう」。
その上で、大きな規模で遺伝子技術を適用することに警鐘を鳴らします。
”If anything can happen, it certainly will”.
「起きる可能性のあることは、いずれ必ず起きる」
時間の問題か、規模の問題か。私たちは、すでに十分学んできたはずではないでしょうか。
(廣内かおり)