2021年9月23日の国連食料システムサミットに対抗して、世界のNGOが開催した「The Global People’s Summit on Food Systems」で、日本消費者連盟も参加するアジアのNGOのネットワーク「Stop Golden Rice Network」は市民宣言「食と農から企業を追い出そう!」を発表しました。
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[仮訳]
市民宣言
「食と農から企業を追い出そう!」
アジアや世界の小規模農家、食品生産者、消費者、科学者、農村住民、部門別グループは、真に変革的な食料システムを実現するためには、次の要求を満たすべきだと言っています。
ビル・ゲイツよ、我々の皿から手をひっこめろ! 食料システムの企業支配を終わらせろ!
私たちは、ビル・ゲイツのような大資本家が、人々の生活や人生、そして地球に与えた取り返しのつかない損害や損傷に対する説明責任を求めます。私たちは、ゲイツが支援する国際農業研究協議グループ(CGIAR)や国際稲研究所(IRRI)などの機関を解体することを要求します。これらの機関は、種子やその他の農業資源に対する企業の独占的な支配を強化し、農民を貧困に陥れるためのツールです。IRRIは、緑の革命プログラムを通じて、在来種とそれに関連する知識を消滅させ、農民の負債と悲惨さを高め、私たちの農地を荒廃させた責任も負っています。
小規模農家による、小規模農家のための真の農業システムを構築するためには、小規模農家のニーズと願望を食料・農業分野の公共政策やプログラムの中心に据えるべきであり、組織を形成する権利、自分たちの利益を増進する機関に参加・支援する権利を尊重し、自分たちの生命と生活を脅かすものから身を守る農民の権利を支持し、虚偽の情報、嫌がらせや脅迫、不公正な慣行から農民を守るべきです。
正しく、持続可能で、農民を中心とした食料システムを前進させよう!
私たちは、農民が人々のために食料を生産できるように、種子、土地、知識などの資源に対する農民の権利が保護されることを要求します。私たちは、食料安全保障と開発に対する農民の多大な貢献を認めることを要求します。私たちは、農民が耕した土地を所有すること、シンプルで実用的かつ環境に害を与えない適切な技術を利用できること、生産物に対して公正で正当な価格が与えられること、生産物とそのすべての利益を管理できること、そして健全でバランスのとれた生態系と農業生物多様性を享受できることを要求します。
私たちは、農民が自分たちの種子やその他の遺伝資源を自由に交換、使用、増殖、改良できることを要求します。地域の作物の多様性は、農民の固有の知識や知恵とともに、バイオパイラシー(生物資源の盗賊行為)、遺伝子組み換えや遺伝子編集された作物による汚染、バイオパテント(生物学的特許)などから保護されなければなりません。
市民の食料主権を前進させよう
私たちは、食料と農業に関する公共政策が、食料に対する人々の権利と、文化的に受け入れられ、環境保護かつ持続可能な方法で栽培された食料を生産する人々の主権的な権利を優先することを要求します。食料生産に関しては、権利に基づいた、包括的でコミュニティ主導の解決策が進められなければなりません。安全で、十分で、栄養があり、多様で、文化的に適切な食料に対する人々の権利は、特に現在進行中のパンデミックのような災害時には、常に満たされなければなりません。
ビル&メリンダ・ゲイツ財団のように、飢餓や栄養失調に対処するための企業による技術的解決策は、食品や農業の工業化を推し進めるものであり、廃止されるべきです。同様に、食料と農業に対する新自由主義的な政策は、世界貿易機関(WTO)とその協定、その他の自由貿易・投資協定を廃止し、食料システムを再地域化することで阻止し、逆転させなければなりません。
2021年9月23日
「The Global People’s Summit on Food Systems」にて
Stop Golden Rice Network